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2010-06-08

アカギ「いいだろう…渡ってみせよう、その鉄骨」

1 :名前:以下、名無しにかわりまして◆QKyDtVSKJoDfがお送りします 投稿日:2009/11/07(土)
前作アカギ「『希望』の船、か。ククク、悪い冗談だ」

カイジ「馬鹿な…!」ざわ…

アカギ「ククク……」

カイジ「死ぬのが怖くないのか…アイツは…!」


3 ::yJEoZUPhP

    わ
         り
4 ::UFGnXfnGO
確かに終わりだな



2.
 遡ること数十分前―――

カイジ「遠藤に言われた通りの場所にやって来たが…ホテル、か? ここは…」

 がや… がや…

カイジ「周りの連中をよく見りゃエスポワール組の連中もちらほら…」

石田「カイジ君!!」

カイジ「あ、アンタ…石田さん!? 何でまたこんなとこに…!」

石田「それはこっちのセリフだよカイジ君…! 君は前の船で大金を得たはずだったろう?」

 そう、カイジは前回、エスポワールでの限定ジャンケンで
 白髪の青年・アカギの助けを得て大勝し、おおよそ200万の大金を得ていた。

カイジ「あ、あれは…その…なんていうか……!」

石田「つ、使い切っちゃったのかい!?」

カイジ「……」カアァ…!

石田「ま、まあ私にとっては心強いよ! 今回も二人協力して頑張ろう!!」

カイジ「勘違いするなよ石田さん」

石田「ええ…?」

カイジ「敵だ…俺にとっちゃアンタも敵! アンタだけじゃない、周りにいる人間は全員敵だ!」

石田「そ、そんなぁ…」

カイジ(そうだ…同じバイトだった佐原だって例外じゃない…敵なんだ…全員……!)

カイジ(警戒すべきは俺と同じエスポワール組…あの修羅場を潜り抜けてきた連中……)

カイジ(ん…? あそこでタバコを吸ってるのは……)

アカギ「……」フゥ~

カイジ「ア、アカギ!?」

アカギ「…ん?」


3.
アカギ「…お前は確か……カイジ…だったか?」

カイジ「あ、ああ…」クルッ

 カイジは思わずアカギに背を向けた。

カイジ(合わせる顔がねえ…気恥ずかしくって、とても顔を見てられねえ…!)

アカギ「フフフ…なんだ、つれないな」

カイジ「いや、その…なんていうか…面目無くって」

アカギ「ん…?」

カイジ「折角アンタの助けも借りて前回大金を手に入れたのに…またこんなところに俺……」

アカギ「フフフ…」

カイジ(わ、笑われてる…! 無理もねえ…! こんなクズ…ダメ男…ほかにいねえ……!)

アカギ「馬鹿だなお前。そんなこと考えて顔を赤くしたり青くしたりしてたってわけか」

カイジ「え…?」

アカギ「いいじゃねえか。金ってのは使うためにあるもんだ」

カイジ「で、でも…俺は折角手にした成功のチャンスを…!」

アカギ「成功…? 成功って…何だ?」

カイジ「そ、そりゃあ、安定した収入を手に入れて、家庭も持って…所謂世間的な勝ち組というか……」

アカギ「そしてそこで得たものを維持するために日々を消費していく人生か。
    ……成功ってのはし過ぎると碌なものにならないぜ」

カイジ「そ、それは…!」

カイジ(確かにそうだ…生きていくために色んな人間に頭を下げて…
    所謂社会の歯車…世間一般の大人……それが俺の成功なのか…?)

カイジ(違う…俺の…俺にとっての成功は……)

カイジ(勝負に勝つこと…! そうだ、前回のような、今日のような勝負に勝つことだ!!)

アカギ「ククク…なあ、タバコを一本くれないか? 切らしちまった」

カイジ「あ、ああ…箱ごと持ってけ」

カイジ(それにしても…コイツ、本当に俺とあんまり年変わらないのか? 人生を悟りすぎだろ…)


4.
帝愛の男「それではこれより会場に移動します」

カイジ(始まった…!)

帝愛の男「諸事情によりここにいる全員を一度に連れて行くことは出来ません。
     12人ずつ移動してもらいます。最初の12人を希望するものは挙手を…」

男A「あの…ギャンブルって、一体何をするんですか?」

帝愛の男「質問には一切お答えできません」

カイジ(く…! どうする…!)

アカギ「……」スッ

 アカギ、挙手!
 それを切欠に次々と手が上がり、最初の12人、その残り枠は3人!

カイジ(どうする…もしアカギが敵になるような内容のギャンブルだったら勝ち目は薄い…
    というよりゼロ……敗北必至…!)

カイジ(ぐぅぅ…! だがッ…!)

 カイジ、挙手!
 カイジに続くように石田、佐原も手を挙げ、ここに最初の12人が決定した。


帝愛の男「では会場にご案内しましょう。こちらへ」

カイジ(いきなり棺みたいな箱に入れられたと思ったら…一体どこに連れていこうとしてやがる…!)

カイジ(この感覚はエレベーター…上に連れて行かれてる…かなり長いぞ…?)

?「……!!」

カイジ(何だ…何か聞こえる)

?「ブレイブメンロード!! それでは勇者達の入場ですッ!!」

カイジ(開く…開いていく…! 硬く閉じられていた棺の扉が…!)

 「「ヒャッホーッ!! ギャーハハハハハ!!」」

 棺が開くと共にカイジの耳に飛び込んできたのは耳をつんざく罵声、嬌声。


5.
カイジ「な…なんだこりゃあ…!」

 カイジ、絶句!
 自分達が立たされているビルの向かい側のビルまで4本の鉄骨が架けられている。
 地面までの高さは8~10m。落ちれば骨折は確実。下手をすれば死ぬこともありえる。
 自分達に付けられたゼッケン。電光掲示板に光る倍率。
 下で豪勢な料理をつまみながら口汚く観覧する者達。
 カイジはあっさりと理解に至る…!

カイジ(鉄骨渡りでの競争…!! そして下の奴らは俺達に金をかけている…!
    言わばこれは、人間競馬…!!)

男「ば、ばっかやろぉ~!! ふざけるな…出来るかこんなことぉ!!」

 呆然…その場にいる全員が凍りつく…!
 ただ二人…カイジと……白髪の青年、アカギを除いては…!!

カイジ(チャンス…! これはチャンスだ…! 皆が呆然としている今がチャンス…!)

カイジ(この高さなら、足から落ちれば死にはしない…!
    なら、行け! 皆が怖気づいている隙に…!!)

アカギ「……」フワッ

 カイジの思考の間に先をとって鉄骨に足を踏み出したのはアカギ…赤木しげる!
 その姿を見て皆次々と我を取り戻し、鉄骨に足を踏み出していく!
 気付けばカイジ出遅れ! 先を行く男を追って鉄骨に躍り出る!

カイジ(くそ…! くそ、くそ…!! 出遅れた…! 出遅れちまった…!)

 カイジ、痛恨! 痛恨の出遅れ!!


6.
カイジ(この出遅れは致命的…!
    こんな幅の狭い鉄骨じゃ、先に行ったものを追い抜くなんて出来はしない…!)

カイジ(先に行った者が、落ちたりでもしない限りは…!)

客「10番!! チャンスだ、チャンスだぞ!!」

カイジ「…10番? ってことは、俺のことか?」

客「…せ!」

カイジ「何だ…何を言ってる…?」

客「…せ!」

カイジ「え…?」

 カイジは耳を澄まし、観客の口元を注視する。

カイジ「お…? せ……?」

カイジ「押せッ!?」

前を行く男「ひ、ひぃ~! や、やめろぉ~!!」

 カイジが観客の言葉に気付いた瞬間、前を行くものは激しく動揺し先を急ぐ!
 その目に絶望の涙を浮かべながら!!

男A「うわあああああ!!!!」

男B「ぎゃあああああ!!!!」

 気付けば、阿鼻叫喚! 
 押され、落下した者の悲鳴や、押し、奈落に突き落としたものの謝罪の嗚咽に場は満ちている!

カイジ「なんてこった…こんな不安定な足場で押されたら…
    持ちこたえるなんてまず無理…落下は確実…!
    まるで…泣いている赤ん坊を崖下に突き落とす行為…!」

カイジ「ま、待てよ…ってことは、一番有利なのは…!!」

カイジの後ろを行く男(中山)「押す…押す…!」

カイジ「や…やばい……! 押さなきゃ…前の男を押さなきゃ押されちまう!!」

前の男「ひ、ひいい…!」

カイジ「幸い、この鉄骨は先細り…先に行くほど安定感を失っていく。追いつくのは容易い…そして、追いついたら…!」

 カイジ、決断! 迷いを捨て、甘さを捨てる!

カイジ「…押す!!」


41 ::Tw7rT0JDO
おせっ……!

42 ::VgUpSu6w0
おせっ……!



7.
 そしてカイジは追いつく! 前を行く男、その無防備な背中に!

カイジ「押さなきゃ押される…押さなければ押されるんだ…!!」

前の男「や、やめ、やめろぉ~…!!」ボロ…! ボロ…!

カイジ「押さなきゃ押される…押さなきゃ押される……!」

前の男「ひぃいいぃ~~……!」

カイジ「でも…!!」ボロ…! ボロ…!


カイジ「押さない…!! 俺は押さないんだーーー!!」


中山(後ろにいた男)「ば、ばっかやろお~~!!」

       (以下略)

 カイジは後ろにいた中山ともみ合いの末、鉄骨に手をついてしまい失格。

中山「おしまいだぁ! これでもう全て! 全て終わっちまったぁ!!」

カイジ「はぁ…はぁ…!」

カイジ(押せなかった…俺は非情になりきれなかった……!
    だから負けた…!! チャンスをふいにしちまった……!
    アイツなら…アカギなら…押していたんだろうか? 何の戸惑いも、躊躇も無く…)

カイジ(そうだ、アカギ…! アイツは…アイツはどうなった!?)

 カイジは鉄骨に身を預けたまま、アカギの姿を探す。

カイジ(あ、あぁ~~!!!!)


51 ::hVM4fTdiO
ざわ・・ざわ・・



8.
 アカギは今にも後ろの男に追いつかれそうになっていた。

カイジ(ア、アカギ……!! お前ともあろうものがどうして…!)

 どうして気が付かなかったのか。先を行く者が圧倒的に不利なこのレースのシステムに。

カイジ(お前なら…それくらい看破出来ただろうに……!! 舞い上がっていたのか…?
    お前も、この馬鹿げたレースを前にして…!!)

 否、そうではない。
 カイジは自分の思惑が間違っていたことに、ほんの数秒後に気付くことになる。

カイジ「ア、アカギィィィイイ!!!!」

 アカギの後ろを行く者が遂にその手を伸ばす。
 アカギは―――!!

カイジ「あ、ああああ……!!」

 カイジ、絶句!
 アカギは―――ごくあっさりと体ごと後ろを振り向いた!!

後ろの男「な…なあ!?」

アカギ「ククク…」

カイジ「何て奴だ…なんて…!!」

 カイジは自らがしがみ付く鉄骨に目を落とす。
 狭い…その幅はカイジの履く靴の幅よりなお狭い。
 皆、己のバランスを保つのが精一杯の中で、アカギは反転してみせた。

 本来、それはそれほど難しい事ではない。
 たとえ足の接地面が弧を描く鉄棒であっても、
 体を後ろへと振り向かせるのは人並みのバランス感覚があれば出来ないことではないのだ。
 だがそれは――あくまで地上数十センチ~1m、すなわち『通常』の場合である!

カイジ「死ぬのが怖くないのか…アイツは!!」


46 ::Xu4WsXItO
チキンレースで海にダイブした男が恐がる訳がないなwww

58 ::uZKLzAlaO
まさに別格……ッ!

63 ::tFDH6XA70
悪魔じみているっ!!

65 :67eNxIyzO
ポケットに手を突っ込んだまま平然としてるんだろうな……



9.
 地上10m…落ちれば重傷確実というこの状況では誰でも足が竦む…竦まざるをえない!
 なのに…アカギはまるで大地に引かれた白線の上に立つように…泰然…震え一つ起こしていない!

後ろの男「何だ…何だお前はぁ…!!」ガクガク…!

アカギ「押すかい…? 俺を…」

アカギ「なら…きなよ。落ちて屍になるのは俺か…お前か…」

 そう、アカギは看破していた! このブレイブメン・ロード、その特性に…!
 先に行く者が不利と知りながら進んだ…何故か!?

 アカギは一方的な狩りを…虐殺を好まない…!
 アカギが望むのはあくまでお互いの破滅をかけた『勝負』なのだから…!!

 異様な光景に下で観戦していた観客達も皆一様に息を飲む。


 赤子の群れの中に紛れ込んだ――虎一匹!!


 結局――その身から狂気を滲ませたアカギを落としにかかるものがいるわけも無く、
 このレースはアカギが一着、二着に佐原という結果になった。
 その後、残りの48人がレースを終えるまでカイジたちは別室で待機を命じられる。
 次々と別室に現れる後発の者達…
 その残りの人数を見ればおおよそどういったレース内容になったのか想像はつく。
 だが、第五組目…つまり最後の組は生還者がゼロ…全員が落下、或いはリタイアという異常事態。

カイジ「一体何があったんだ…?」

 そして、各レースの1位と2位に賞金が渡される。
 だが、渡されたのは賞金とは名ばかりの一枚のチケットだった。

佐原「何だこりゃ…ふざけんな!!」

男「金だ! 金をよこせよ!!」

 各レースの勝者が激昂する中、一人アカギはタバコを吹かし、薄い笑みを浮かべている。



10.
アカギ「成程ね…」

カイジ「アカギ…」

アカギ「ん?」

カイジ「お前はいいのか…? その…」

アカギ「まあ…あんな茶番で終わるわけはないと思っていた。
    さっきのは前座…むしろ本番はこれからさ…」

カイジ「茶、茶番って、お前…!」

帝愛の男「では換金所へご案内しましょう。
     さっきの第5レース目で勝者が出なかったために1位と2位のチケットがあまっています」

帝愛の男「脱落された方にもまだチャンスがあるかもしれません」

カイジ「そ、そんなこと言われたら付いていくしかねえじゃねえか」

 結局、その場にいた全員が男の後に続いた。

 男の後に続き、外へと連れ出されたカイジ達。
 そこでカイジ達の前に現れたのは――!

利根川「おめでとう…! 勇者達…おめでとう……!」

カイジ(アイツは…! 前の船のときに壇上に上がっていた…!
    ってことはやっぱり、あの船の時と今回と元締めは一緒か……)

佐原「いらねえこと言ってねえで早く金だ! 金を出せよ!!」

利根川「金は出す…出すが…換金にはリミットがある」

佐原「はぁ…?」

利根川「チケットの裏を見たまえ」

佐原「おい…これにのってる時間まであと二時間しかねえじゃねえか!!」

利根川「ふふ…換金所はスターサイドホテル、メインビルの地上22階…2214号室。
    だがこのホテルはオープン前で…エレベーターは作動していない。
    非常階段も閉ざされたままだ」

利根川「だから…我々で便宜を図り、道を通した……」

佐原「え…?」

カイジ「鬼が…!」

アカギ「…ふふ、随分と回りくどい言い方をするもんだ」

利根川「ほう、そちらの二人は察しがついたようだな…つまり、こういうことだ!」

 利根川の命により今回の仕掛けを覆い隠していた暗幕が取り払われる。
 現れたのは先ほど超えたはずの鉄骨――ただし、その高さは先ほどと比べるベくもない!!

 落ちれば死!! 紛れも無く、死!!


11.
 その後、利根川は参加者から噴出した不平不満を一喝し、封殺する。

カイジ「渡せ…」

利根川「ん?」

カイジ「さっきのレース…1位と2位のチケットが余ってるはずだ。それをよこせ」

カイジ「それをよこせば…渡ってやる」

利根川「素晴らしい…だが、今回は鉄骨に電流を流す。
    つまり、失格者の生き残りは無いと考えていただこう」

佐原「ば、ばっかやろう…! そんなこと…!!」

カイジ「…それでもいい。渡せ」

佐原「なっ!?」

アカギ(へえ…)

石田「わ、私にもチケットを…!」

利根川「よかろう…さあ、他に参加するものはいないか!?」

アカギ「参加するさ…もちろんな」

利根川(んん…? 確かこいつは……エスポワールで……)

 カイジ・石田・アカギ…その3人を切欠に、チケットを持つものは次々に参加を表明。
 最後まで参加を渋っていた佐原も、最後には決意を固め、半ば叫ぶように参加を表明した。
 さらにチケットを持っていた者が二人棄権…代わりに第一レースの脱落者から二人参戦した。
 これで参加者はカイジ・アカギらを含め11人。

利根川「おい」

帝愛の男「は」

利根川「少し席を外す…奴らに渡る順番を決めさせておけ」

帝愛の男「どちらにいかれるので…?」

利根川「会長の所だ。少し気になることが出来た」


87 :gqfnfDCpO
佐原空気っ・・・ただ突っ立ってるだけ・・・・!!



13.
 ――スターサイドホテル・メインビル ????号室――

利根川「会長」

???「ん…?」

 利根川が恭しく頭を下げた先に、白髪の老人が豪奢な椅子に悠然と腰掛けている。
 部屋に備え付けられた6台のテレビには、
 今からカイジ達が渡ろうとしている鉄骨が、あらゆる角度から映し出されていた。

利根川「ひとつ、報告しておきたいことがございまして」

???「…何だ?」

 会長と呼ばれたその老人の名は兵藤和尊…
 このギャンブルを主催する帝愛グループに君臨する王である。

利根川「今回鉄骨渡りに参加している男…赤木しげるという男についてです」

兵藤「何だ? この白髪の青年がどうかしたのか?」

利根川「覚えていらっしゃらないでしょうか?
    この男は前回の船で開始30分早々でゲームをクリアした男です」

兵藤「…おぉ~、おったおった。確かにおったな」

利根川「この男は先ほどの橋でも他を寄せ付けず圧勝しておりました……いかがいたしますか?」

兵藤「む…? どうするかとはどういう意味だ?」

利根川「いえ…この男の参加を認めない、という処置もありかと。
    無いとは思いますが…この男はこのゲームをクリアしかねません」

兵藤「利根川…何を馬鹿なことを言っておる。帝愛に、ひいてはワシに逃げろというのか?」

利根川「いえ、そうではありません。そうではありませんが…」

兵藤「利根川…ワシを誰だと思っておる。ワシは王だ…この日本を金で牛耳る王…そうだろう?」

利根川「は! 『あの男』亡き今…この国の真の王は会長唯一人であります」

 その時、利根川の言葉に泰然としていた兵藤の様子が変わる…!

兵藤「利根川…!」

利根川「は…?」

兵藤「なんたる言い草だ…!
   まるで『あの男』が生きていればワシより上だと言わんばかりではないか…!!」バシッ!

 兵藤、殴打…!
 利根川の頭を持っていた杖で殴りつける…!

利根川「がはッ…! も、申し訳ございません…! ですが…!」

兵藤「だが…何だ…!! ワシだ…ワシが王なのだ…例え、あの男が生きていようとも……!!」

利根川「は…! その通り…その通りであります…!!
   ただ、誤解を解くために申し上げさせていただくならば…」

利根川「王というものは君臨してこその王…! 滅びぬからこその王…!
    そういった意味で言えば、ギャンブルによって破滅したあの男にその資格は無し…!」

利根川「故にこの世に王は会長ただ一人…そういった意味での先ほどの発言でございます」

兵藤「二度は許さぬ…! せいぜい口には気をつけよ……!!」

利根川「は…! 大変失礼いたしました…では、私はこれで…!!」

兵藤(そうだ…王は逃げぬ…王は滅びぬ…王はただ君臨するのみ……!)

兵藤「王はワシだ…例え貴様が生きていたとしてもな……」


兵藤「鷲巣…巌……!!」ギリ…!


153 :0fpp/hPnO
鉄骨をスリッパで走りきる昭和の怪物 鷲巣巌

154 :3ne/lEbCO
>>153想像してワロタwwwwwww



14.
 利根川が戻り、ゲームが開始される!
 くじで順番を決めたカイジ達は己を鼓舞し、靴に照準となる線を引いていく!

カイジ「ほら、アカギ。お前も…」

アカギ「いや、いらねえ」

カイジ「え?」

アカギ「結構気に入ってるんだよ、この靴」

 そうして開始される狂気のゲーム…!
 命をかけた鉄骨渡り…!!
 その順番…右の橋は大田、佐原、西田、藤野、秋川の順番。
 左の橋は中村、中山、カイジ、石田、小泉、そして最後尾にアカギ。

カイジ「いけえ! 大田! 中村! 俺たちは渡れるんだ!!」

 男達は踏み出した…! 頼るものは己のみ…孤独…それが本質の死のゲームに…!!


 死の鉄骨渡り……足を踏み出してからおおよそ5分もせぬうちにカイジは心の底から震えていた。

カイジ「何だ…何だこれは…! こんなに…こんなに違うものか…落ちたら死ぬという状況では……!!」

 カイジの頬を伝う汗が鉄骨に滴り落ち、火花を上げる。

カイジ「ひ…! 嫌だ…この感覚は嫌だ…!
    誰かに…冷えた両手で心臓を鷲づかみにされたようなこの感覚……!!」

石田「カイジ君…違うよ…さっきの橋とは全然違うよぉ……!!」ボロ…! ボロ…!

 恐怖に震えているのはカイジだけではない…!
 気付けば、橋の上にいる者は皆震え、恐怖と闘っていた!

利根川「魔物が顔を出したな…」

帝愛の男「は…?」

利根川「死という名の魔物だよ……だというのに……!」

 そう、皆震えていた……!

利根川「何故貴様は震えない…!!」

アカギ「……」

 ただ一人…赤木しげるを除いては…!


56 :OtxoaCN+O
電流鉄骨渡り・・・落ちれば今度は即死っ・・・!!
確実に死ぬっ・・・!!
誰もが躊躇う中・・・アカギ・・・まさかのクラウチングスタートっ・・・!!

178 ::T2kXX7zJO
Eカードの器具を両目両耳につけてもなお平然と鉄骨を渡る赤木しげる

213 :Ir/LYoM/O
両津「なんだと!?鉄骨を渡るだけで2000万円くれるのか!?」

214 :iw6bqjM0O
>>213
電流シカトで渡りそうだなww

215 :XAmQftvc0
>>214
鉄骨どころか 縄の上を一輪車で爆走する男です



15.
 そして状況は激変する…!

大田「ぎゃあああああああ!!!!」

 最初の犠牲者が出る…
 右の橋の先頭を行っていた大田が風の幻に取り付かれ、鉄骨に手を付き感電…落下した…!

秋川「い、嫌だああああああ!!!!」

 その直後…! 今度は右の橋の最後尾にいた秋川が恐怖に負け、
 スタート地点に戻ろうとした瞬間足を踏み外し落下……!
 二人…瞬く間に二人の人間が死に至る……!

石田「ひ…! うわああ……!!」

 それは…残った人間を恐怖のどん底に叩き落すには十分すぎる光景だった…!

中山「俺が悪かった…! これからは心を入れ替えます…! だから…助けて……!」

カイジ「皆…落ち着け…!! 落ち着けったら…!!」

 パニック…! 橋の上にいる者は皆、参加を後悔し、死にたくないとただただ念じるのみ…!
 カイジの必死の叫びも耳に届かない…!

西田「助けて…誰か助けて……!!」

カイジ「ぐ…ぐぐぐ……!」

カイジ「利根川ァ!!」

利根川「んん…?」

カイジ「電流を切れ!! 俺たちはやめる…! いいな…皆もそれで!!」

アカギ「…何?」

中山「切って…切ってくれ…!」

小泉「俺たちやめます!! だから!!」

藤野「ギブアップゥゥゥウウ!!」

利根川「馬鹿が…誰が真剣勝負の途中で棄権など許すか……! どこまでも愚鈍な奴らよ…!!」

カイジ「電流を切れ利根川ーーー!!」

アカギ「やれやれ…」

カイジ(…!? アカギ…!?)

アカギ「何でそんなことを言っちまうかね…」

アカギ「弱みを見せればそこを付け込まれる…奴らの思う壺……!」


16.
中山「ぎゃばばばばばば!!!!」

 叫び声にカイジは前を向き直る…! 中山が鉄骨に抱きついていた…!!

カイジ「中山…! ばっかやろおぉぉおお!!」

中山「あぁ~~……!!」

カイジ「中山ーーー!!」

 カイジは必死に手を伸ばすも届かない…! 中山…落下…!

藤野「ひ、う、うわ…!」

西田「よ、よせ…! 馬鹿…!!」

藤野・西田「うわあああああ!!!!」

 連鎖…! 次々と奈落の底に落ちていく…!

中村「ひいいあああああああ!!!!」

 死神が…カイジ達の上空を旋回し、次の獲物を求め舌なめずりをしている…!!
 皆怯え…死神を見ないように、目をあわさぬように頭を下げる…!
 助けてくれ…どうか自分のところへは来ないでくれと…!

 だが…アカギは目を逸らさない!
 死神を見据え、相対し、なお跳ね返す!

小泉「がががががが…!! あぁーーーー!!!!」

 例え目の前で人間が感電し、落ちて死のうとも…決して死から目を逸らさない!
 カイジは見ていた…! 恐怖に震えながらも、そんなアカギの姿を…!

カイジ(くぅぅ…! なら、俺だって…!)

 出来る…やれる…! 死に震えぬ男になる…!
 理想や夢想ではない…目の前にそれを体現する男が存在するのだから…!

カイジ「なら…俺だってぇえええええ!!!!」


17.
 気付けば…橋の上に残っているのは4人…!
 カイジ、佐原、石田…そしてアカギの4人…!

佐原「渡る…俺たちは渡るぞ、カイジ!!」

カイジ「ああ…! いくぞ佐原!!」

 カイジと佐原はお互いを励ましあい、クリアを目指す…!
 だが、平凡な中年、石田は…!!

石田「カイジ君…」

カイジ「石田さん、何してんだ! 行こう…!! 進むんだ…!!」

石田「ダメ…ダメなんだぁ…!!」ボロ…! ボロ…!

石田「どうしても足が震えて…先に進めないぃ…!!」

カイジ「石田さん…!」

石田「カイジ君…お願いだ…」スッ

カイジ「何だよ…何の真似だよ…」

 石田は差し出す…自分の分のチケットを…!

石田「俺はもうだめだ…それで…虫のいい話なんだが…これを…!」

カイジ「おい、何言ってんだ! 聞きたくねえよそんなもん!!」

石田「俺の代わりに換金して…俺の連れ合いに渡してやってはくれないか……」

カイジ「駄目だ! 自分で…自分でやれよそんなもの…!!」

石田「お願いだ…カイジ君……!」

カイジ「石田さん…!」

アカギ「やめときなよ」

石田「え…?」

 気付けば、アカギは石田のすぐ後ろまで近づいてきていた。

アカギ「全ては茶番…無意味…」


18.
カイジ「てめえ! 何言ってんだアカギ!!」

 カイジ、激昂…! 石田の決死の覚悟を…他者への祈りを馬鹿にされた気がして…!

アカギ「落ち着け…そうじゃない。俺が言いたいのはもっと別のこと…」

カイジ「え…?」

アカギ「終わってるんだよ…このゲームは既に…」

カイジ「…おい! お前何を!!」

 カイジ、驚愕!
 アカギが鉄骨に手をかけようとしている…!

カイジ「バ…! 何してんだ!! 死ぬぞ!! 感電して…死ぬ!!」

アカギ「ところが…そうでもないのさ」

 カイジ、再び仰天…!!
 アカギは鉄骨に手をかけ、その場に座り込んでいた!!

カイジ「な、何で…!? 電流は!?」

アカギ「…何を言ってる。ギブアップを最初に宣言したのはお前だろう」

カイジ「…ッ!?」

アカギ「あんな弱みをさらせばつけこまれるのは当たり前。あの時点で俺たちの勝ちの目は消えた」

アカギ「たとえ俺たちがゴールしたとしても奴らは言うつもりだったのさ…」

アカギ「『あの時点で電流は切っていた。故に金は渡せない』と」

カイジ「そんな…! でもあの後も皆感電してたじゃないか…!!」

アカギ「そうやってこちらに刷り込ませた…『ギブアップなど出来ないのだ』…と」

カイジ「…通るかよそんな道理! 切るんだったらすぐ切れよ!!」

アカギ「通すのさ、奴らは」

石田「ひ、ひいい!!」

 石田はしがみ付く。既に電流を通さぬ鉄骨へと。

石田「助かった…! 助かったぁ…!!」ボロ…! ボロ…!


192 :X7nzuOKU0
完璧超人すぎるだろwwwww

179 :/vNUvyUnO
でもカイジが触れると電流走る

182 :hVM4fTdiO
石田さん…よかったね…本当によかったね…

184 :67eNxIyzO
石田さん生存√だと……?

188 :t+PyJsWyO
ここで不意に流れる電流

193 :fWXjohQl0
矢木に電流走る・・・!

190 :H2CZy4/+0
カイジ「バ…! 何してんだ!! 死ぬぞ!! 感電して…死ぬ!!」

アカギ「ところが…そうでもないのさ」

ビリビリ!

アカギ「ぐぁああ…っ!」



19.
カイジ「でも…なんで分かる…? もう電流が流れていないって…」

アカギ「ある時から気配が薄れた」

カイジ「気配?」

アカギ「足元から立ち上る…言うなれば死の気配ってやつが…」

カイジ(な、何てヤツ…!)

 つまり、直感! 確たるものなどまるでなく、この男は利根川達の目論見を看破してみせたのだ!

カイジ(尋常じゃねえ…! 常人の外…枠外の人間…!)

 カイジは悟る…アカギの無類の強さ、その根幹…!
 優れた直感もさることながら、真に逸脱しているのはその精神性…!
 自身のひらめきに容易く乗っかる、その度胸…!

カイジ(俺なら出来るか…? 仮に、電流の流れを感じ取れたとしても…!
    いや…とても出来ねえ…万が一を考え…きっと足が竦む…!!)

アカギ「それにしても…ククク……!」

カイジ「…どうした?」

アカギ「本当に電流を切るとは思わなかった。中途半端な公正感…
    いや、姑息…といった方が正しいだろうな」

アカギ「それが奴らの隙…故に殺しきらなかった…哀れな生贄の羊達を……」

 アカギは胸のポケットからタバコを取り出し、火をつける。
 紫の煙が夜空に溶け、消えていく。

アカギ「お前も一本どうだ? いい景色だぜ、中々」

カイジ「……元々俺のタバコだろ、それ」

アカギ「あらら」

 カイジは笑う。賞金こそ得られなかったものの、無事に生還した。
 今は喜ぼう。そして味わおう。この男と二人で吸うタバコの味を……



佐原「…なにこれどうなってんの?」

 佐原、空気…!


20.
利根川「…クソガキ共が…!」

帝愛の男「ど、どうします? 再び電流を流しますか?」

利根川「馬鹿者が…! 向こうのビルで食事をしていらっしゃる資産家の方々…
    彼らが見たいのは虐殺などではない!」

利根川「死にいく者が最後に見せる足掻き…命の輝き…そして生還叶わぬと気付いたときの絶望…!
    皆様が望むのはそういったもの…!」

帝愛の男「は、はあ…」

利根川「既にこういった状況に陥った以上、
    奴らを殺す意味は無い…死体の処理も安くはないのだ……!」

利根川「……先にあちらに回るぞ。付いて来い」

帝愛の男「は!」

利根川(やはり…貴様がガンとなったか…! 赤木…しげる……!!)ギリ…!ギリ…!


 ―スターサイドホテル・メインビル―

 生還…! 芋虫のように鉄骨を這い、カイジ、佐原、石田、アカギは生還する…!
 無論…言うまでもなくアカギは唯一普通に歩いてクリア…! ガラスの橋も呆気なく看破した…!

黒服´s「……」

 カイジ達4人を取り囲む黒服は一言も発さない…!
 無事生還した4人にコングラッチュレーションの一言も無し…!

利根川「よくぞ気付いたものだ…電流が流れていないことに……」

 闇の中から利根川が姿を現す。

カイジ「てめえ! 汚ねえペテン仕掛けやがって!!」

 カイジ、激昂…! 利根川の姿を認めた瞬間、飛びかかろうとし、黒服達に取り押さえられる。

アカギ「それで…これからどうなる?」

利根川「ふん…! 当然賞金は無し、貴様らはここで起きたことを一切他言無用とし……」

アカギ「そうじゃない」

利根川「なにい?」

アカギ「俺が聞いたのはアンタの処遇だ…利根川幸雄」

利根川「何だとぉ…?」


21.
アカギ「この命を賭けた鉄骨渡り…当然、一回目の時のように観覧していた連中がいるはずだ」

アカギ「おそらくあの時野次を交えて観覧していた連中とは一線を画す…言わばVIP中のVIP」

アカギ「お前は俺たちを嵌めるつもりで電流を切ったんだろうが結果的には裏目…
    俺達は無事生還した」

利根川「ぬぐ…く…」

アカギ「あんなガラスの橋まで用意してあったんだ…最後に残った何人かが足掻き、絶望する様…
    そこが言わばメインディッシュだった…」

アカギ「ところがアンタの独断でそいつがお流れ…見れたのは芋虫のように這い進む男達の姿だけ…
    興が削がれる事甚だしい……」

アカギ「当然、アンタには何かしらのペナルティが課される…それが当然」

利根川「き、貴様…!」

アカギ「そこでだ…もし、この先に何かもうひとつ勝負を用意してあるならば……
    それを受けてやってもいい」

利根川「何イ…?」

カイジ「アカギ…お前、何を…!」

アカギ「足りないのさ…こんなものじゃ、まるで足りない……」

利根川「きっさまぁ…調子に…!」

???「よいではないか」

 闇の中から再び現れる者がいる…!
 その男、帝愛グループのトップ…日本を金で牛耳る王……兵藤和尊…!
 その異様な迫力にカイジ達は皆悟る…! この老人が…全ての元凶なのだと…!

兵藤「受けなさい、利根川…元々これは貴様の失態が招いた事態…
   ならば貴様が自分で尻を拭うが筋というもの…!」

利根川「…かしこまりました。では、勝負は…」

兵藤「究極の心理戦…Eカードがおもしろい……!!」

 決戦…! アカギVS利根川…!
 勝負の内容は皇帝と奴隷の殺し合い…Eカード!!


22.
 必要ないとは思うけどEカードの簡単な説明。

・勝負は皇帝側と奴隷側に分かれて行われる。
・手札はお互いに五枚。その内一枚ずつが『皇帝』と『奴隷』になっており、
 他は全て『市民』で構成されている。
・皇帝は市民に勝ち、市民は奴隷に勝ち、奴隷は皇帝に勝つという力関係になっている。
・勝負は12戦行われ、3戦ずつで皇帝側と奴隷側を交代。
・勝負に際してはアカギ側は目か耳のどちらかを、利根川側は金を賭ける。
・アカギは針が伸縮する装置を目か耳のどちらかに装着し、針の進度をミリメートル単位でかける
・30ミリ、つまり3センチ失えば器官に届き、終了する。
・1ミリ=10万円で換算される。ただし、奴隷側で勝てばこの五倍、1ミリ=50万円となる。

 大まかなところはこんなところ。後は原作読むか見るかググッてくれ。


アカギ「勝負を始める前に…いくつかルールの変更をしてほしい」

利根川「ん…? 馬鹿が、何を言い出す…!」

アカギ「勘違いしちゃいけない…あくまで勝負は
   『こちらが受けてやってる』んだ…立場はこちらが上…」

利根川「小僧…!」

アカギ「安心しなよ。ゲームを根底から揺るがすようなものじゃない。簡単なことさ」


アカギ「まずひとつ…この勝負、一戦ごとにこちらが金を得るということだが…
    俺はその金を現金でしか受け取らない。小切手などでの支払いは認めない」

利根川「……」チラリ

兵藤「よかろう」

アカギ「二つ目…賭けるのは目か耳かをどちらか一つということだったが…俺は三つ賭けよう」

利根川「何…!?」

アカギ「目が一つ開いていれば勝負には十分…俺は片目と両耳を賭ける」

利根川「何だと!?」

兵藤「うほほっ」

カイジ「な…何考えてんだアカギ!!」

アカギ「最後に…皇帝はいらない。12戦全て…俺は奴隷でいい」

カイジ「ば、馬鹿な…!」

アカギ「そうでなければ…アンタ達が破滅しない」

 絶句…! その場にいた全員が絶句…!
 ただ一人…兵藤和尊だけが手を叩き笑っていた…!!


268:Kupseog3O
全部奴隷www

267:T2kXX7zJO
両目両耳45㍉×12回戦×10万=2億1600万

270:QamFMcCq0
>>267
奴隷側なら更に×5で10億8千万だ

369:sr+Kf8iiO
アカギ「俺は…もう片方の目も賭ける」

利根川「ば、ばかなっ!!!」

ざわ…        ざわ…
      ざわ…
 ざわ…     ざわ…


アカギ「カードが…見えねぇ」


アカギ痛恨のミス……ッ!
 
371:5gm26ERY0
>>369
それでも勝ちそうだから困るww



23.
 勝負が開始される。
 まずはアカギが自分の賭ける距離を宣言する。
 アカギは両耳と右目に銀色に輝く装置をつけた異様な風体となっていた。

アカギ「聞くが…この針はどこまで伸びるようになっている?」

利根川「ん…?」

アカギ「誰も彼もが3センチぴったりで鼓膜、或いは眼球に到達するわけもない…
    多少の調節はきくようになっているはずだ」

利根川「45ミリだ…その機械は45ミリまで伸びるよう設定されている」

アカギ「なら…45ミリだ」

利根川「なにい…?」

アカギ「聞こえなかったのか? 俺は45ミリ賭けると言ったんだ…利根川幸雄…」

利根川「何だとぉ…!?」

 つまり、死…! 負ければ紛うことなき、死!!
 狂気に満ちた第一戦目が始まる…!


278:QlYdsJY90
く、狂ってる…
なんだこれは…

279:3k9yd2rC0
く・・・狂っていやがるっ・・・!!!

281:U+Zon3ZYO
しょっぱなからクライマックスか

282:p/W7ouwZO
これ、利根川負けたら、地下行きじゃすまねぇよな…

293:pgxA2nIZO
アカギに心理戦を挑んだ時点で利根川に勝ちはないよなwww

296:/vNUvyUnO
なんだろうこの異常なまでの安心感は

301:YcRyGYfZO
アカギが負ける図がまったく思い浮かばない件

302:dLA7dvJEO
ざわ…

303:dWXDVHstO
ざわ・・・ざわ・・・

306:/ZCugsNvO
黒服が鉄板を熱し始めたようです。



24.
利根川(馬鹿が…とち狂いおって…この勝負、貴様に勝ちの目は無いのだ…!)

 利根川は注視する…己の手首にまきつけられたその時計を…!

利根川(これは受信機…貴様の脈拍、体温、血圧、発汗量などを正確に記す測定器…!
    発信機は貴様の両耳、右目につけられた装置だ…!)

利根川(3つも装着したことにより、その精度はさらに高まった…
    これで、貴様の動揺、心の動きは手に取る様にわかる……)

利根川(大方、こちらの動揺を誘うための一気賭けだったのだろうか、結果は裏目…)

利根川(一戦目で殺してやる…アカギ…!!)

 利根川、先出しとなる一回目は市民を選択。様子見の市民…!
 それを受けてアカギもカードを提出…!

利根川(脈拍、血圧共に変化無し…ならばヤツのカードは…)

 オープン…利根川『市民』…アカギ『市民』…引き分け…!

利根川(ふん…やはりか…まあ、ここはな……)

アカギ「……」


 二枚目…先に出すのはアカギ…!

利根川(ここ…こちらが後出しとなるここでヤツが奴隷を出してくれば市民で殺す…)

アカギ「……」

 アカギ、カードを提出…それを受けて利根川…!

利根川(計器類に変化無し…ならばあのカード…市民…か…?)

 利根川、逡巡した後に提出…! 両者のカード出揃う…!

 オープン…! アカギ…『市民』…利根川…『市民』!!

利根川(ふむ…やはり計器類は正常に作動しているな…)

 利根川、慎重…! ここは慎重に『見』に回る…!


 三枚目…利根川の先行…!

 利根川、ここは何ら迷うことなく市民を選択…!
 当然…たとえアカギの心を読めようと先だしでは対応出来ない…故に市民…!
 それでアカギが奴隷を出して自滅すればもうけもの…!

利根川「……」

アカギ「……」

 両者のカード出揃い、オープン…! またも引き分け…両者共に市民…!

利根川「ふっふっふ…どうしたアカギ君。奴隷は怖くて出せないか…? あーん…?」

利根川「どれ程大きな口を叩いてもそれが本心…死が怖いのだ…」

カイジ「か、勝手なことぬかしやがる…!」

利根川「表面上平静を繕っていても…内心はほっとしているんじゃないかね…?
    皇帝が殺しにこなかったことに…」

アカギ「さあ…どうだろうね……」


25.
 四枚目…ここが正念場…!
 アカギが先に出し、利根川が対応出来る4枚目…!

アカギ「……」

 アカギ、さしたる迷いも見せず提出…!
 受けて利根川…!

利根川(なにい…ここに来てなおも変化無し…ということはあのカード…市民か?)

利根川(下らん…結局一度も勝負に来ずに…こちらが皇帝を出さぬ『逃げ』に出ることに期待する…
    全く…とんだ軟弱者だ…!)

利根川(こんなクズに気を揉まされていたとは…! 死ね…! 死んでその罪を償え…!!)

 利根川、『皇帝』を提出! アカギの市民を殺しにかかる!

利根川「どうやらメッキは剥がれたな…強者の仮面を被った臆病者よ…」

アカギ「……」

利根川「駄目さ…肝心なときに勝負にいけないような男はまるで駄目…!
    故に死ぬのだ…貴様は…今ここで…!!」

 両者、カードオープン!! 利根川『皇帝』! それに対しアカギは!!

利根川「な…に…?」

 アカギ、『奴隷』! 利根川の『皇帝』を刺す!!

利根川「馬鹿な…!!」

 利根川、混乱…!

利根川(何故…何故奴隷…何故…!?)

利根川(ヤツの脈拍等に大きな変化は無かった…だったら市民じゃないのか!?)

利根川(このEカードでは提出の直前、必ずカードを見ることになっている…!)

利根川(『奴隷』は見た目からして他とは異なる異質なカード…手に取れば必ず反応するのだ…!)

利根川(人間…ならば…!!)

アカギ「ククク…」

利根川「アカギ…!」

アカギ「何をしている…6750万だ。早く持ってきな」

利根川「ぐ、ぐぅぅ~……!!」グニャア~…!


344:1rNBaw160
帝愛が潰される・・・

359 :T2kXX7zJO
兵藤「1050年焼き土下座っ・・!!!」



26.
カイジ「すげえ…! 何てヤツだ…! たった一回でもぎ取った…橋の時なんて目じゃない大金を…!」

 目を輝かせるカイジ達とは裏腹に、兵藤の顔は見る見るうちに憤怒へと染まっていく…!

兵藤「利根川…! 貴様…なんたる醜態を…!」

利根川「う、うぅ…!」

兵藤「これでヤツは残り全てを1ミリ賭けで生き残る…! 勝ち逃げを許すことになるではないか…!」ビシッ!

利根川「も、申し訳…!」

兵藤「ここ一番で負けるヤツほど下らぬものは…」

アカギ「その点は安心しなよ…じいさん」

兵藤「何…?」

アカギ「次も45ミリだ。次も…その次も…アンタの破滅、その時まで…」

カイジ「な…! 馬鹿な、よせアカギ!!」

アカギ「大丈夫大丈夫。まあ見てな…凍りつかせてやる」

カイジ「アカギ…!」

兵藤「利根川…殺せ、ヤツを…必ず殺せ……!」

利根川「は…!」

 継続…狂気の45ミリ賭け、その第二戦…!


364:T2kXX7zJO
※まだ2戦目です

361:T2kXX7zJO
狂気の沙汰ほど面白いっ・・・!

362:5gm26ERY0
ざわ・・・ざわ・・・

367:/vNUvyUnO
利根川がなんというか可哀想です

368:F4l+8wUKO
佐原…帰宅っ…!!



27.
 次の先攻はアカギ…! アカギは薄笑みを浮かべながら利根川を見据え、カードを選ぶ…!

利根川(ク…まただ…また計器に変化無し…! どっちだ…!?)

 利根川、苦悩…! 先ほどの勝負では変化は無くとも奴隷が顔を出した…!

利根川(ならば奴隷…奴隷か…? ぐ…しかし…!)

 提出…! 時間ギリギリまで苦悩の後、利根川も提出する…!

 オープン…利根川『市民』…アカギ……『市民』!!

利根川(クソ…やはり市民…だったか…!)ギリ…!

アカギ「ククク…」

利根川「貴様! 何がおかしい!!」

アカギ「皇帝で来てれば勝てていた」

利根川「ぐ…!」

アカギ「肝心なときに勝負にこれないような男は…何だったかな…?」

利根川(殺す…! このガキ…必ず殺す…!!)


 二枚目…利根川の先攻…!

利根川(殺す…絶対に殺す…! 激痛にのた打ち回らせてやる…アカギ…!!)

 利根川、カードを提出…! 受けてアカギ、ほぼノータイムで提出…!

 オープン…!!

 利根川のカードは…『市民』!!

利根川「馬鹿が…貴様の浅知恵など読めておる…!
    そうやってこちらを激昂させ…皇帝を引きずり出そうという腹…!」

利根川「出すものかよ…そんな見え見えの挑発に…!」

 アカギ、オープン…! そのカードは……『市民』!!

利根川「なあ…!!」

アカギ「ククク…なあ利根川…さっきから面白いように踊ってくれているが…趣味なのか?」

利根川「アァカギィイイ!!!!」


395:711TyYG20
利根川・・・クールに、クールに行こうぜェ・・・

396:BFTOPTRE0
利根川キレすぎwwwww



28.
 3枚目…アカギの提出…!
 もはや見るまでもないかもしれないが、利根川は自身の時計に目を落とす。

利根川(やはり変化は無い…! 化け物め…! 殺してやる…殺してやるぞ、貴様…!!)

 利根川、『皇帝』を提出! 再びアカギを殺しにかかる…!
 だがそれは何も激情にかられてのことではない!

利根川(よくよく考えれば…この時計に何の反応も示さない時のカードは…九分九厘『市民』…)

利根川(こちらの思惑を裏切り…『奴隷』を出してきたのは一回だけ……)

利根川(偶然だったのではないか…?
    ヤツはその時に限り、カードをよく見ずに勘で切り出していった…)

利根川(勝負どころで一切動揺しない化け物であると考えるよりも、
    そちらの方が納得のいく理屈…道理…)

利根川(しかし…今回は違う。ヤツはしっかりとカードを見て、それから出してきた……!)

利根川(ならば…『市民』…! 物の道理で考えれば…ヤツのカードは『市民』でしかありえぬ!!)

 伊達に帝愛の要職についてはいない。
 利根川…ここに来て冷静に己のカードを切り出す…!

 なのに…! あぁ…なのに…!!

 アカギのカードは『奴隷』! 皇帝を刺す、『奴隷』…!!

利根川「ば…馬鹿な…! こんな…こんな…!!」

 前の奴隷は偶然…その可能性は脆くも崩れ去った…!
 残る結論はひとつ……!!

 目の前の男は紛れも無く化け物…正真正銘の異端者…!! その証明…!!

利根川「ばけ…もの…!」

 だが、利根川は引かない! 否、引けない!!

兵藤「……」ギリ…!ギリ…!

 引けば破滅! 一億もの負債をもたらせば、まず間違いなく破滅!!
 利根川は進むしかない…前に出て…悪魔を討ち取るしか生き残りの道は無し……!!

カイジ(すげえ…終わってみりゃ、危なげなく1億をぶんどった…!! いけるかも…!)

 だが、現実はこれを12連戦…! 余りにも長い道のり…!

カイジ(無理することは無い…もう十分だ、アカギ…引け…! 引くんだ…!!)

アカギ「さあ…続けようか」

カイジ「…んもう!!」


419:f47anRiM0
んもう!

420:uZKLzAlaO
カイジwwwwwwww

429:fVu4uNbO0
圧倒的・・・! 圧倒的「んもう」!!

431:mE5ZuAUdO
カイジはオカマかよwww



29.
 3戦目…4戦目…5戦目…!!
 ありとあらゆる思索を張り巡らそうとも、その全てはアカギに討ち取られていく…!

利根川(かくなる…かくなる上は……!)

 利根川、己が定めたルールを破り、カードを見ずに提出する…!

利根川(どうだ…これなら…さすがのお前も偶然までは読めまい…!!)

アカギ「…そうでもない」

利根川「…へ?」

アカギ「お前は一度全てのカードを見ている…
    ならばたとえ切り飛ばすときに見ずとも…それは完全な偶然とはなりえない」

 利根川のカードは『皇帝』! アカギのカードは『奴隷』!!
 完全に偶然に任せても討ち取られる…!
 こうなるともう何がなにやらわからない……!!

利根川「ぐ、ぐぅぅ…ぐぅ~…!!」グニャァ~

 利根川、陥落…!!
 9戦目を終え、利根川の負債…6億と750万…!!

 パチ…パチ…パチ…!

 部屋の中に拍手の音が鳴り響く…!

カイジ(だれだ…!? こんな状況で拍手なんて…あの会長ってじじいか…?)

 否、兵藤もまた、苦虫を噛み潰したような顔で睨みつけている…!
 この部屋の…入り口を…!!

カイジ(入り口…? 入り口に一体何が…ああ!)

 いつの間にか、部屋の中に数人の男女が入ってきていた。
 その煌びやかな衣装…成功者としての自信漲る顔つき…
 カイジにもその正体は容易にうかがい知れた!

カイジ(こいつらか…俺たちの橋渡りを眺めていた、醜悪な人間共は…!)ギリ…!


30.
兵藤「何をしにおいでかな…皆々様方…」

男「いえいえ、存外面白いショーになってまいりましたので…
  モニターでの観戦では物足りなく…ここに馳せ参じた次第であります」

兵藤「……」

男(ククク…面白い…まったくもって面白い…先ほどまでの橋渡りで得られた『安全』という愉悦…
  それもまた甘美なものだが…)

男(それよりもなお甘美な物がある…! それは『不幸』…! 他人の不幸は蜜の味…!!)

男(それが君臨する王者の凋落とあってはなおさら…別格だ……!!)

兵藤「…チ。利根川」

利根川「は…!」

兵藤「代われ…後はワシが相手をする…! 無様を晒しおって……!
   地下行きだ…! クズが…! 見せるな…二度と…ワシにその醜悪なツラを……!!」

利根川「ぐ、ぐうぅ~~!!」

兵藤「連れて行け!」

黒服「はっ!!」

利根川「触るなッ!! …自分で歩く」

アカギ「……」

利根川「覚えていろ…悪魔め…! 貴様を殺すために俺は必ず舞い戻る…必ずな…!!」

アカギ「……」フゥ~…

 アカギ、利根川には一瞥をくれただけ…タバコを取り出し、火をつける…!

アカギ「灰皿をくれないか?」

兵藤「…持って来い」

黒服「はっ」


466:Hg0pR53l0
利根川可哀想だなwwwwwwwww

469:Jm2H7Ah+0
超VIP連中乱入か!
こいつらは兵藤といえども無碍に出来ない程の相手なんだよね?

479:ePiTEBX6O
福本作品はカイジしか知らなくて、
アカギって人がずっとスラダンの赤木キャプテンで脳内再生されてた。
ググったら全く別人やんけ

480:bUpYM92YO
>>479
ねーよww
ゴリ凄すぎるだろww



31.
カイジ「すげえ…本当にすげえ…!
    超えている…あの男だけは…俺たちの想像の外…! まさに神域…!」 

カイジ「6億もの金をぶんどり、なおかつあの爺を勝負の場に引きずり出した…!
    勝てる…命を弄ぶ奴らに一泡吹かしてやれる!!」

兵藤「さて…勝負に入る前に教えておこう…」

アカギ「…?」

兵藤「持って来い」

黒服「はっ」

 しばらくの後に黒服が持ってきたのは金の束…! 圧倒的札束の山…!!

兵藤「今君に持っていかれている6億750万…
   それを差し引いてもまだワシにはこれだけの金がある…」

 その額は…3億4250万円! 即ち、当初兵藤は8億5000万もの大金を持っていた計算…!

兵藤「もちろんこれは一部…世界の銀行に分散させたこのワシの総財産に比べれば微々たる物…!」

兵藤「だが…それでもなお…アカギ君、君の命はワシには届かない…!」

 そう…もし残りの3戦、アカギが全勝しようとも得られる金は2億4250万…足りない…!
 兵藤の破滅には至らない…!


兵藤「金は現金でしか受け取らないという縛り…それはこちらの現金の枯渇を狙ってのことだろう?
   そして金を払えぬこちらの弱みを付け込み、さらなる財産を奪おうとした…それが君の狙い」

兵藤「だが、その狙いは今脆くも崩れ去った…
   まあ、こんな念を入れずともワシはあと3戦、負けぬがね…」

アカギ「……」

兵藤「さあ、始めようじゃないか…もっともこれは勝負ではなく…
   安泰が確約されたワシからすればほんの余興…」

カイジ「それは…どうかな…?」

兵藤「ん…?」

 カイジ、起つ!!

カイジ(アンタの破滅を願うのは何もアカギだけじゃねえ…!
    許すかよ…! 俺だって…みんなの無念を背負ってる…!!)

カイジ(アカギに任せっぱなしじゃ、みんなに合わせる顔がねえだろ!!)

カイジ「次の勝負から…俺も片目と両耳を賭ける!!
    これなら届く! 今この場での、アンタの滅びに!!」

兵藤「正気か…? このアカギ君の戦いに、君の命も賭けると、そういうのかね…?」

カイジ「ああ、そうだ…! これなら得られる金は二倍…!
    最終戦を待たずして、アンタの金は枯渇する…!」

兵藤「突然後から割り込んできて…何をほざくかと思えば……」

男「おやおや、まさか…兵藤会長ともあろう方がお逃げになるので?」

兵藤「む…!(この小僧…これも計算のうちか…?)」

カイジ(そうだ…この勝負をあいつらが見ている以上、お前は無様な真似は晒せない…
    受けるさ…それがどんなに無茶苦茶な条件でも…!)

カイジ(だってお前は…王なのだから……!!)

アカギ「やれやれ、勝手に話を進めてくれる」

カイジ「いいだろ、アカギ…お前の力は俺が一番よく知ってる…俺の命をお前に賭ける…!」

アカギ「…好きにするといい。確かに、これでヤツの滅びに手が届くのは事実…」

 最終戦、始まる…!


32.
 最終戦、兵藤の先攻…一枚目の提出…!
 これを受け、アカギも提出を完了する…!

カイジ(アカギは何のカードを選択したんだ…? やはり最初は様子見の『市民』が定石だが…)

 カードオープン!!

カイジ「な…なんだと!!」

 兵藤のカードは『皇帝』!! 様子見なしの一発勝負!!

カイジ「ア、アカギは…!!」

 アカギのカードは『奴隷』!! 兵藤との第一戦、ここはアカギが兵藤を読みきる!!

カイジ(あ、あぶねえ…! 様子見なんてしてたら瞬殺されていた…!
    なんてヤツだ…兵藤和尊…この場面で一発目に『皇帝』を出してくるとは…)

カイジ(普通は出来ない…わかっていても、一枚目に『皇帝』を出すなんてこと…!
    それよりも『市民』を出して相手の自滅を待つほうが遥かに安心…安心だから…!)

カイジ(だが…アカギはさらにその上をいった! やはりこの勝負、勝てる!!)

 これでアカギに1億3500万が移動…兵藤の現金、残りは1億と750万…!
 届く…! あと一度の勝利で、兵藤を倒せる…!

 だというのに…兵藤は不敵に笑っていた…!

兵藤「成程成程…抜きん出ておる…! ワシが今まで倒してきた誰よりも…!」

兵藤「とはいえ、疑念も捨てきれぬ…果たして君のその勝利、才能によるものか…?」

カイジ「はあ? 何を…?」

兵藤「イカサマ…ではないのか…?」

カイジ「て、てめえ! 言うに事欠いて、何てこと!!」

兵藤「一目にはカードの背に違いなど無いように思える…
   だが、君の目にしか映らない極微小な傷をこちらのカードにつけていたとしたら…」

カイジ「ふ、ふざけんな! アカギはそっちのカードに触れてもいないだろうが!!」

兵藤「いやいや、わからぬ…ワシはずっとアカギ君を見つめていたわけではないのでな…
   一瞬の隙をつけば、可能だったかも知れぬ…!」


33.
カイジ「てめえ…!」

アカギ「ククク…」

カイジ「アカギ!」

アカギ「それで…どうしたいんだ? 何か条件を付けたいんだろ?」

兵藤「流石に察しがいい…! その通り…ワシからの提案はカードの総交換…
   そして…勝負形式の変更だ…!!」

カイジ「勝負形式の変更…?」

兵藤「そうだ…流石にこうダラダラと10戦もカードの出し合いを見せられては
   ギャラリーの皆様も飽き飽き…!」

兵藤「このEカード…勝負している者にとっては血沸き肉踊る熱戦となっても…
   傍から見ればただのカードの出し合い…退屈…退屈なのだ…!!」

兵藤「忘れてはいけない…この勝負は元々あそこにいる方々を楽しませるために続けられた延長戦…!
   本質はいかに彼らを歓待するかのみ…!」

アカギ「具体的には…?」

兵藤「伏せた10枚のカードから引いたカードで勝負する…というのはどうかな?」

カイジ「ふ、ふざけたことぬかすな! なんだそりゃ!
    とどのまりくじ引き…くじ引きじゃねえか!!」

カイジ「そんな…運に全てを任せるような勝負なんて……!」

兵藤「おやおや…これは的外れなことを言う…!」

カイジ「何だと…!?」

兵藤「運に全てを委ねる行為…これこそがギャンブルの本質…違うかね?」

カイジ「そ、それは…!」

兵藤「まあ、決めるのは君ではない…実際に勝負をする、アカギ君だ」

カイジ「く…! アカギ…!」

アカギ「面白い…受けよう」

カイジ「んもう!!」


538:k6/oRKKcO
運ゲーなら尚更アカギに勝てる訳がない

541:ZRDX324zO
おっさんと佐原はガチで帰ったんじゃなかろうか…



34.
兵藤「それでは新しいカードを準備させよう。おい」

黒服「はっ……どうぞ」

兵藤「このEカード…流通している数こそ少ないが、市販もされていてな…
   これはその新品…封も切っておらぬ新品だ…」

兵藤「カードはこれを使う…さて、先ほどまで使っていたカードを渡したまえ。
   こちらで破棄させよう」

 アカギは先ほどまで使っていたカードの束を差し出す…が、受け取ろうとした黒服の手をかわすと、
 逆に先ほどまで兵藤が使っていた皇帝側の5枚を掠め取った。

黒服「な…なにを…!?」

アカギ「カードの準備もそちら…カードの破棄もそちらだってんじゃ釣り合わない…
    何に使われるかわかったものじゃない…これは俺たちの目の前で破棄してもらう」

兵藤「なに…?」

アカギ「つまり、こういうこと…」

 アカギは前回の勝負で使ったカードの束を兵藤達の目の前で破り捨てる!
 さらに火を放ち…カードを全て燃やし尽くした!!

兵藤「ククク…信用のないことだな……」

アカギ「まあ、念のため…さ」


 VS兵藤第2戦…!
 これまでの心理戦とは打って変わって運が物を言う、カードチョイスゲーム…!
 勝負を始める前に、カイジとアカギは兵藤の用意したカードをチェック、
 確かに皇帝と奴隷が一枚ずつあることを確認する。

兵藤「それでは…順番だが…この勝負では言うまでもなくこの順番が重要…
   そこで、その先攻後攻は…これで決定する」

 兵藤の手に乗せられたのは、二つのサイコロ…!

兵藤「このサイコロの出目が大きかったものが先攻だ…いいかな?」

アカギ「かまわない」

兵藤「それでは君から振りたまえ」

 アカギは手渡されたサイコロをチェック、何の仕掛けも施されていないことを確認する。

カイジ「アカギ…頑張れ…!」

アカギ「……」

カイジ「アカギ…?」

アカギ「カイジ…このサイコロはお前が振るんだ」

カイジ「はあ!?」

 カイジ、仰天…!

カイジ「な、何を…!?」

アカギ「この勝負にはお前も命を賭けている…なら、振る権利はあるさ。
    何もかもを俺に任せることはない」

カイジ「そ、そんな……」

兵藤「何をぐずぐずしておる…勝負が先に進まんではないか…!」

カイジ「ぐ…ぐぐ…!!」

カイジ(いや…びびるな! これはアカギが俺を信用してくれたってこと…!)

カイジ(命を賭けた俺の気迫が、兵藤の出目を上回ることに賭けたってことだ…!)

カイジ「なら…答えなきゃ男じゃねえだろぉぉおおお!!!!」

 カイジ、賽を振る!! 
 出た目は1! もうひとつも1! つまりは合計2!!
 有りうる組み合わせの中で最も小さき数…!!

カイジ「あ、ああぁ~~~……!!!!」グニャァ~


563:tQz/XDLQO
なんという失態
地下行き1050年もやむをえん

566:5bdtbRvM0
ひでえwwwwwwwwww



35.
兵藤「はっはっは! これは素晴らしいパートナーを引き連れたものだ、アカギ君」

カイジ「すまねえ、アカギ…すまねえ~……!!」ボロ…!ボロ…!

アカギ「へなへなするな」

カイジ「アカギ…」

アカギ「勝つつもりだぜ、俺は」

カイジ「で、でも…!」

兵藤「では、もう振る必要もないが…一応振るか…」

 兵藤の目は6と6…あわせて12…最大の数…!
 その圧倒的実力を予感させるその目…!

カイジ「く、くうぅ…!!」

兵藤「では、カードを並べ…始めよう…! 先に引くはワシ…!」

 兵藤の手がテーブルに並べられた10枚のカードに伸びる…!

カイジ(引くな…! 引くな…!! 『アレ』を引くな~…!!)

 この勝負、言うまでもなく先攻が圧倒的に有利…!
 何故ならば…先に『あのカード』を引いた方が圧倒的に有利に立てるのだから…!

カイジ(頼む…!)

兵藤「カイジ君…祈っても無駄なのだ…! こういった時、ワシは引く…引くが定め…!!」

 兵藤、カードを引きオープン……!
 そのカードは…!

カイジ「あ、ああ~~~!!!!」

 『皇帝』!! 兵藤、一発目に皇帝を引き当てる豪運!!

兵藤「引くのだ…ワシは、王なのだから……!!」

 これでアカギは圧倒的窮地に立たされた…!
 残った9枚のカード、その中のたった一つの奴隷を引き当てなければ負け…!
 奴隷でなければ、死!!

カイジ「ぐ、ぐうぅ…!」

兵藤「ククク…カカカ…コココ…!!」

 崩れ落ちるカイジ…勝ち誇る兵藤…!
 そんな中、ただ一人…アカギだけは揺らがない…!
 ただじっと、カードを見据えている…!

兵藤(無駄な足掻きを…!)

カイジ(あるのか…アカギ、勝ちの目が…!)

カイジ(いや、そうだ…! 俺は今まで一体何を見てきたんだ!
    引く…! アカギは引く…!! 9分の1なんて、あいつからすれば引けて当然のこと…!)

カイジ(そうだろ…アカギ…!!)

 カイジは祈る…! アカギの運、それが兵藤を凌駕することを…!


36.
 だが…カイジの思惑とは裏腹に…!
 アカギ…動けず…! カードを見つめたまま、微動だにしない…!!

カイジ(どうしたんだアカギ…引くだろ…! お前なら引けるだろ…!!)

兵藤「ククク…じっと見つめていれば、カードが透けて見えるとでもいうのかね?」

アカギ「……」

兵藤「だんまりか…ククク、まあよい。精々集中することだ……」

カイジ(アカギ…お前まさか…!)

 カイジは察する…! アカギの胸中…!
 この場でただ一人…エスポワールのときからずっとアカギの背を追い続けていたカイジだけが……!

カイジ(アカギ…! アカギ…!!)

カイジ「お前…なにびびってんだぁーーーー!!!!」

 カイジ、狂乱!!

カイジ「ふざけんな! こんな土壇場で、なにびびってんだ!! おい!!」

黒服「こら、貴様! 暴れるな…!!」

カイジ「無敵なんだろ! 神域なんだろ!! だから、だから俺も命を賭けたのに…!」

カイジ「こんな土壇場で…馬脚をあらわすんじゃねえーーーー!!!!」

黒服「く…! 始末に負えん…! ロープを持ってこい!! 椅子に縛り付けるぞ!!」

カイジ「ふざけんな!! 取り消し…取り消しだ…!!
    俺の賭けは取り消し…死ぬなら一人で死ね…!!」

兵藤「ククク…キキキ…カカカ…コココ……!!」

兵藤「そうだカイジ君! ワシはそれが見たかった…!
   死の恐怖に負け、醜く露呈する本音…! いや、愉快愉快…!」

カイジ「なら助けろ…! 助けてください…! 俺だけでも…!!」

兵藤「ん~ふふふふ…!! 駄目じゃ…!
   アカギ君が奴隷を引けなければ死…君ももろともに、死……!!」

カイジ「あ、あああ~~~……!!」グニャア~

 カイジ、消沈…! 縛られた椅子で力無くうな垂れる…!

兵藤「さてさて…そろそろ引きたまえアカギ君…」

アカギ「……」

兵藤(動かぬか…成程、確かに異才…飛びぬけて有能…!)

兵藤(感じておるか…不吉な何かを…!)

 そう、兵藤がこれほど勝ち誇るには理由がある…!
 この机に伏せられた9枚のカード……そこに、『奴隷』は無い!!
 無いのだ! つまり、アカギの勝ち目など絶無!!
 引けば死! 何を引こうとも…死!!

兵藤(もちろん、勝負の後にカードを検分する暇など与えぬ…
  『市民』を引いた瞬間、黒服に取り押さえさせ……ワシの手で45ミリ針を進ませてやろう…!)

 兵藤、ここに来てイカサマ…! 勝負を確実にするためのイカサマ…!
 無論、アカギもカイジも事前にカードのチェックは済ませていた…!
 ならば何故、こんな事態に陥っているのか…!
 考えられる理由はひとつだけ…! カードのすり替え…それしかない!!
 ならばいつ…! それも分かってしまえば簡単なこと…!
 それは…サイコロを振らせた時以外に無い!


632:yi99puRUO
カードを1つ選んで、他を全て開けさせるでおk



37.
 だからこそのサイコロでの順番決めだった…!
 順番を決めるだけならわざわざサイコロを準備する必要などない!
 それこそ、ジャンケンなど、なんでもいいのだ!
 兵藤は自分の手元からアカギとカイジの視線を外すため、わざとサイコロという手段を取った…!
 サイコロならば、その出目を確認するために目でサイコロを追う…追わざるを得ない!!
 アカギがカイジにサイコロを振らせた時は見破られたかとヒヤリとしたが、
 アカギに気付いた様子は無し…!
 兵藤は懐に隠し持っていた『奴隷』抜きの10枚セットとのすり替えを見事にやりおおせた!!

兵藤「カカカ…キキキ…コココ…!!」

 だが、兵藤が真に恐ろしいのはここから…!
 兵藤のイカサマは『奴隷抜きのカードにすり替えた』、その一点のみ!!
 その後にサイコロで6と6を出したのも、一発目で『皇帝』を引いて見せたのも、全ては実力…!
 一度目に王を引けなければこのイカサマはむしろ己の身を滅ぼす諸刃の刃…!
 相手に『皇帝』を引かれてはそこで終わり…あまりにもリスキーな賭け……!!

 しかし…兵藤は引いた…!
 引く確信があった…!!
 その一点で言えば…確かに彼はこの世に君臨する王であることに他ならない!!

アカギ「……」

カイジ「あ、アカギぃ~…」

 勝負は決したのだ…!


アカギ「ククク…」

 否、勝負は終わってなどいない…!

兵藤「どうした…? 気でも触れたか…?」

 わからぬのだ…勝負のあやは…最後の最後、その一瞬まで…!

アカギ「アンタは確かに王だった…だが、それ故に王であることをやめられない……」

 アカギの選んだカードが開かれる…!

アカギ「たとえ…奴隷に刺されると…わかっていても……!」

 アカギのカードは『奴隷』!! 有り得ぬはずの、『奴隷』!!

兵藤「馬鹿な!!」

カイジ「ア、アカギィ!!!!」

アカギ「勝負ありだ…アンタは今王の座から凋落した…!」


38.
兵藤「有り得ぬ! 貴様、一体何をした!!」

アカギ「有り得ないとは妙なことを言うね。
    俺はただ残りの9枚から『奴隷』を引いただけ…そうだろう?」

兵藤(すり替えか…! それしかない…だが、いつ…? カードはどこで準備した…!?)

アカギ「アンタの敗因はどこどこまでも自分が王であることにこだわったこと…
    俺たちが奴隷になるのは簡単なのさ…ただ、人としての尊厳を捨てるだけでいい」

兵藤「の、のたまいよって…!!
  (すりかえた奴隷は利根川との戦いで使っていたものに違いあるまい…!)

兵藤(だがヤツは確かに差し出したカードを全て破り捨てていた…!
   そこに怪しい動作は無かったはずだ…!)

兵藤(となると…そうか…! 最初から4枚しか差し出していなかったのか…!)

兵藤(カードを抜き取ったのはそのさらに前…!
   おそらくこちらがカード交換を言い出した直後…こうなることを…読みきっていたのか…!!)

兵藤(ならばすり替えたのはいつだ…! ワシはヤツの挙動から目を離してはいなかったはずだ…!)

兵藤(ならば…一体いつ……?)

 その時、兵藤にある疑念が走る…!

兵藤(待てよ…本当にそうか…?
   違う…ワシは…たった一度だけヤツから目を離したのではなかったか……!?)


 『奴隷になるのは簡単さ…ただ、人としての尊厳を捨てるだけでいい』


兵藤(あ、ああ~~~~~!!!!)

 兵藤に電流走る!! その視線の先には椅子に縛り付けられた一人の男…伊藤カイジ!!

兵藤(き、さまかぁぁぁあああ!!!!)

 カイジの表情を見て兵藤は確信する!!
 通常、あれだけ死に怯えていた人間が助かったときに浮かべる表情…それは安堵…安堵以外にない!!
 だが、カイジは……!

 笑みを浮かべていた…! 勝ち誇りの笑みを……!!


720:CkIXMClZ0
カイジ覚醒キターーーー

724:T2kXX7zJO
カイジ活躍っ・・!

726:bKAZvDuwO
すげぇ、ここでカイジか
格好良い



39.
兵藤(おのれ…おのれえぇぇえええ!!!!)

 決着は―――ついた。
 もはや兵藤にこの場で払える現金は残っておらず、最終12戦目を待たずして戦いに幕は下りた…

佐原「すげえ…8億…! 8億だぜ…! 何だこの金の山……!!」

石田「もう…目が眩んでしまうよ…!」

佐原「ちくしょう…一束くらいくれねえかなぁ…!」

 目の前にうず高く詰まれた金の山に狂喜する佐原、石田…!
 カイジは…崩れ落ち、消沈する兵藤の前に立っていた…!

カイジ「どうだ…! 思い知ったか…! これが、お前が蔑んできた奴隷の力だ…!」

兵藤「……」

カイジ(へ…せいせいしたぜ!! そうやって死ぬまで寝ぼけてろ!!)

カイジ「さあ、アカギ行こう。こんな場所、さっさとおさらばだ」

アカギ「…何を言っている?」

カイジ「え?」

 勝負は―――終わったはずだった。


747:oPEOaAnx0
倍プッシュ?

748:tFDH6XA70
むしれるだけむしるっ!



40.
アカギ「まだ最終12戦目が残っている…来いよ、兵藤」

カイジ「あ、アカギ! 何言ってんだ!!
    もうこれ以上勝負する必要なんてないだろ!! 勝っても金は得られないんだ!!」

アカギ「そうだな…だから…」

 アカギは椅子に崩れ落ちている兵藤の前に立つ。

アカギ「俺が賭けた物に相当するものを…お前にも賭けてもらう…」

アカギ「即ち…命を……!」

 カイジの背に怖気走る…! アカギの瞳、その暗い輝きを目にして…!

カイジ「狂ってる…! そんな勝負に何の意味がある…?
    こんな爺の命まで奪って、何になるっていうんだ!!」

アカギ「意味なんていらない…負けたものが無意味に死ぬ…それがギャンブル……」

兵藤「……」

アカギ「立てないか…? 何だ…同じ王を名乗っていても、随分と違うもんだな」

 アカギの言葉…『王』という言葉に兵藤の肩が揺れる…反応する……!

アカギ「アイツなら来たぜ…鷲巣…鷲巣巌なら…」

兵藤「なん…じゃと…?」

 鷲巣…ワシズといったのか…今…?

兵藤「…コココ…カカカ…キキキ…!!」

 兵藤の目に光が戻る…! えもいわれぬ…狂気の光が……!!

兵藤「そうか…! 貴様か…!! 貴様だったのか赤木しげる…!! きぃさぁまぁがぁ…!!」

兵藤「ならば…ワシは貴様を殺す…! 貴様を殺し、証明して見せよう…!
   ワシこそが…この世に君臨する唯一の王だということを……!」

アカギ「そうこなくっちゃな…始めようぜ…最終戦…文字通りのデスマッチを…!!」

 テーブルへと向う二人を見て、カイジは口を開き呆けていた…!
 ここに来て気付いた…アカギへの誤解…!

カイジ(俺はアイツを強い人間だと思っていた…! 死の恐怖を克服した、強い男だと…!)

 だが事実は違った…! 事実は…むしろ真逆……!!

カイジ(アイツは死が怖くないんじゃない…むしろ、どこか死を望んでる…死にたがりの狂人……!!)

カイジ(狂っているんだ…つまるところ……!!)

 天才だとか…異端だとか…そんな言葉では到底形容できぬその人間性…才覚…!!
 まさしくそれは人の測りの外…神の域にあるといって過言ではない……!

 だからこそ…カイジは確信する……!
 この最終戦、アカギが負けるはずがないと……!!

 そして、カイジは決意……!! ある一つの決意をこの時胸に秘めたのだった……!!


774:MOL2n9hNO
さようなら兵藤さん…

754:XVGRE6DwO
なんと兵藤以外全員仕掛け人
兵藤「もう二度とギャンブルなんかしないよ」



41.
 5年後―――

アカギ「ロン」

おやじA「うわあー! また兄ちゃんかよ!! 強すぎだぜオイ!!」

おやじB「アンタ最近よく見るけど、ここの人間じゃねえだろ?」

アカギ「ああ、全国を転々として、こうやって暇つぶししてんのさ」

おやじC「ふうん…全国をねぇ……」

カイジ「アカギーー! 見つけたぞ!!」

アカギ「げっ」

カイジ「黙ってヤサ変えんのやめろって言ってんだろ!!
    大体どこ行ったって白髪のめちゃギャンブルの強い奴っていえば
    すぐお前が捕まるんだからよ!!」

おやじA「何だオイ熱烈だな。あのにいちゃん、アンタのコレか?」

アカギ「やめろ、冗談じゃねえ」

カイジ「今度から引っ越すときはちゃんと俺に言えよな、お前」

アカギ「……」ワシワシ…!

 アカギ、苛立ちからその白髪を掻き毟る…!

カイジ「ていうかお前いい加減携帯買えって! 機械オンチでもそれくらいの操作は出来るだろ」

アカギ「…いらねえよ、冗談じゃねえ。いつでも誰かと繋がってるなんて、気味悪いったらねえや」

カイジ「ちぇ、そしたらお前を追っかけるのも楽になんのによ…!」

 アカギ、ため息…! 肺の底からの盛大なため息…!!

アカギ「お前…いつまで俺に付き纏う気だ」

カイジ「あ…? いつまでって…そんなの決まってんだろ…!!」


カイジ「お前に……勝つまでだ!! 勝負だ、アカギ!!!!」

アカギ(……いっそハワイあたりにでも逃げてみるかね……ったく)


 賭博異端録 あかじ  ―完―


ФゝФ〕<ニコ動に似たのがあったのですが、削除されてました…。

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