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2010-07-15

魔王「いじめないで!ぼく、わるいまおうじゃないよ!」

1 :名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/17(金)
勇者「え」


魔王「え」

勇者「お前…魔王?」

魔王「まおうだけど、わるいまおうじゃないよ!」

勇者「い、いやいやいやいや」

勇者「あ…ありのまま、今起こった事を話すぜ!」

魔王「なになに?」

勇者「『魔王城の頂上までたどり着いたと思ったら、玉座に幼女が座っていた』…!」

魔王「うんうん」

勇者「何を言っているのか分からねえと思うが、おれも何が起こったのか分かねえ…」

魔王「たいへんだねー、こまったねー」

勇者「ええいまとわりつくな鬱陶しい!!」


2.
勇者「何、お前マジもんの魔王なの?」

魔王「そーだよー。いいまおうだよー」

勇者「いい魔王って何だよ」

魔王「まものにやさしいまおうなのー」

勇者「……つまり人間には害悪ってことだよな」

魔王「?!」

魔王「こんないたいけなようじょをころしてへいきなの?!」

勇者「いや、魔王なんだろ?」

魔王「うん!」

勇者「なら駆除しとかねえとな……」

魔王「えー……」

魔王「わーーん!このおにいちゃんこわいよー!!いじめられるよーー!!」

勇者「虐めっつか虐殺かな?」

魔王「きちくー!ひとでなしー!ろりこんー!せいはんざいしゃーー!!」

勇者「安心しろ、すぱっと殺ってやる」

魔王「そうr…ちがう、ほうk…いや、そうけいだよ!はやまっちゃだめ!」

勇者「嬲り殺し決定じゃああああ!!!!」


3.
半時間後─

勇者「………」

魔王「えーっと………ごめんね、すぱっとおわらせちゃって」

勇者「……笑いたきゃ笑え」

魔王「だ、だいじょうぶ!ゆうしゃ、けっこうつよいほーだったよ!」

勇者「手も足も出なかった…こんなちびっ子に……」

魔王「だってぼく、まおうだし」

勇者「ふっ……だが負けたのは事実だ…早く殺せ」

魔王「ものわかりいいねー。でも、まだころさないよ」

勇者「ま、まさかその辺の魔物を使って俺の後ろの開発を?!」

魔王「だれとく。あ、でもそういうしゅみがあるんなら、えんりょなく」

勇者「冗談だ。真顔で言うな」

勇者「でもどの道これから拷問とかだろ…嫌だなー、気乗りしないなー」

魔王「ぼくもああいうのきらいだな」

勇者「お!気が合いますね魔王様」

魔王「うん。おもちゃはながもちさせないと」

勇者「ひゃっほう前言撤回」

魔王「というわけで、こっちにきてねー。おそいと、てつのしょじょっちゃうよー」

勇者「まだ死にたくないんで喜んで参りまーす」


4.
魔王「おいしい?」

勇者「ああ、うまい(モグモグ)」

魔王「よかった。まもののしぇふだから、にんげんのくちにあうかなーって、しんぱいだったの」

勇者「うまいのはいいが…何で俺、魔王とティータイム?」

魔王「ひまだったから!」

勇者「もし仮に、忙しかったら?」

魔王「あははー」


勇者「つーか、マジでお前魔王なの?」

魔王「そーだよー。ぼくね、このまえまおうになったばかりなの」

勇者「この前?具体的にはいつからだ?」

魔王「ほんのみっかまえ?」

勇者「タイムリーだなおい!!!!」

魔王「ぱぱのかわりに、いっぱいがんばるんだよー。えっへん」

勇者「パパ…?」

魔王「せんだいまおうだよ。このたび、いっしんじょーのつごうにより、たいいされました」

勇者「こんなちびっこに魔王を任せざるを得ない事情って一体…」

魔王「まおうあきたから、あちこちかんこうしたくなったんだって。ままもいっしょにいっちゃった」

勇者「……俺は一体何で勇者なんかやってんだろ」

魔王「だから、ぼくはまだわるいことしてないの!いじめちゃだめ!」

勇者「お前のパパとやらが色んな国滅ぼしてくれたんだけど、その辺どう思う?」

魔王「むー……(スッ)」

勇者「ケーキ二個目がワビになるか!!」

魔王「うう………きむずかしいなあ、ゆうしゃは」

勇者「お前が軽いだけだろうが」


5.
勇者「はあ……これからどうしよう…」

魔王「またぼくにりべんじするんじゃないの?(ワクワク)」

勇者「何で命狙われて楽しそうなんだ」

魔王「おもしろいよきょーだから!」

勇者「おお、台詞がすっげー魔王っぽい。見た目は幼女なのに」

勇者「勝ち目の無い勝負はしない主義だ。もう挑まねえよ」

魔王「ちぇー」

勇者「ただ…魔王討伐は国王からの勅令だから……国に帰れん」

魔王「あらら。むりでしたー、っていったら?」

勇者「勇者の俺がそんなこと言ったら、パニックになるだろうが」

魔王「それはそれでおもしろいからよし!」

勇者「ああそうだな!人事だもんなてめえにとっちゃ!!」


6.
勇者「とりあえず…お前はなに、先代みたいに暴れるつもりか?」

魔王「ううん。ぼくはそんなわるいことしないよ」

勇者「本当かあ……?」

魔王「うん。やくそくしてもいいよ!!」

勇者「俺に約束されても困るんだよ!国王が納得するか!」

魔王「ねーねー。こくおうさんに、わかってもらわなきゃいけないの?」

勇者「あ、ああ……そうなんだが…どうしたものかね」

魔王「じゃあね、ぼくがこくおうさんにあいにいくよ!」

勇者「…………へ?」

魔王「あって、もうわるいことしません。ってやくそくするから」

勇者「………本当か?」

魔王「ぼく、うそはつかないよ!」

勇者「お前がそれでよくても、他の魔物が納得するのか…?」

魔王「だいじょうぶ。みんな、ぼくのめいれいにはぜったいふくじゅーだから」

勇者「へえ。やっぱり小さくても魔王なんだなあ」

魔王「うん!みんなね、『ちっちゃくてかわいい』とか『おれのよめ』とかいってくれるの!」

勇者「大丈夫かこの組織」


31:XDN5k76C0
魔王はおれのよめ



7.
魔王「だからね、ゆうしゃ」

勇者「…何だよ」

魔王「ぼくを、そのこくおうさんのところに、つれてって!」

勇者「………お、おおう?」

勇者「よし、聞こう。何でだ」

魔王「だってぼく、こくおうさんがどこにいるかわかんないし」

勇者「違う。何で、勇者の俺が魔王のお前を連れてかにゃならん」

魔王「まおうたいじができないなら、せめてへいわのためにつくさなきゃねー」

勇者「魔王のくせに!魔王のくせに平和とか言いやがって!!」

魔王「じゃあ、さいごまでせきにんもってよー。しんぜんたいし、ってことで」

勇者「うう……敵前逃亡の勇者よりマシか……」

魔王「だからね、おねがいします(ペコリ)」

勇者「はあ…考えとくわ」

魔王「ありがと!」


8.
次の日─

魔王「おはよー」

勇者「ああ……」

魔王「あれ、げんきないねー。おきゃくさまとして、おもてなししてあげたのに」

勇者「逆に居心地悪かったわ!!何だあの豪勢な食事にデカイ部屋は!!」

魔王「ふつうじゃないの?」

勇者「ブルジョワめ!!」

魔王「ね、ね。かんがえてくれた?」

勇者「仕方ねえなあ……連れて行ってやるよ…」

魔王「もし、ぼくがゆうしゃをだましてて、こくおうをころしちゃったらどうするの?」

勇者「そん時は……うん、逃げるかな。どうせ適わんし」

魔王「なんかすさんでるねー」

勇者「生存本能に忠実なだけだ。断るのも何か怖いし」

魔王「じゃあ、これからよろしくね」

勇者「仕方ねえな。ま、上っ面だけでも仲良くやってくれ」

魔王「しんぱいいらないよー。ゆうしゃのことは、こじんてきにすきだから」

勇者「悪いな。俺は至極ノーマルで、ガキには興味ないんだ」

魔王「おもいあがるなよ、どーてー」

勇者「だから何でてめえがんなこと知ってんだよおおおおお?!!!」


9.
魔王「では、きをとりなおして…しゅっぱーつ!」

勇者「ちょっと待て」

魔王「ん?」

勇者「え、何。徒歩?」

魔王「そーだよー」

勇者「ワープ魔法とかは?」

魔王「つかえるよー。でもつかいません!」

勇者「何でだよ?!健康のためとか言ったら殴るぞ?!」

魔王「かんこうしたいから!」

勇者「畜生!!楽が出来ると思ったのに!!」

魔王「わかいんだから、らくしようとしないの」

その日の夕刻・寂れた村─

勇者「仕方ない…今夜はここで宿を取るか」

魔王「しずかなまちだねー…」

勇者「ああ……まあな」

魔王「ゆうしゃ、どうかした?」

勇者「いや…」


10.
村人「あ………」

勇者「………」

村人「貴方は……もしや…勇者様?」

勇者「……あ、ああ。そうだよ」

村人「勇者様が戻ったということは…あの魔王を打ち倒したのですね?!」

魔王「……あー、ね」

村人「どおりで魔物が静かなわけです!早速皆に知らせて」

勇者「いや…魔王はまだ倒せていない。先に片付けなければならない用事ができたんだ」

村人「……そう、ですか」

勇者「安心しろ。魔物どもの様子を窺ってきたが、当分動きはなさそうだ」

村人「………分かりました…」

村人「そちらの女の子は…?以前いらしたときには、勇者様お一人だったと記憶しておりますが」

勇者「え?!あ、ああ……こいつらはそのー…」

魔王「ぼくね、ゆうしゃさまにたすけてもらったんだ!」

勇者「うおえ?!」

村人「何と……!」

魔王「ぼく…こわいひとにさらわれたの……
   でも、ゆうしゃさまがね、こわいひとをやっつけてくれたんだよ!」

村人「何と……!」

魔王「それでね!おとーさんと、おかーさんのとこにかえしてくれるんだって!」

村人「そんなことが…!やはり勇者様は素晴らしいお方だ!」

勇者(魔王の棒っぷりに気付けよ……)


11.
魔王「でも、このむらしずかだね……なにかあったの?」

村人「ああ…少し前に魔物に襲われてね……」

魔王「……へえ」

村人「その上、悪天候が続き食糧も水も尽きかけている……。ここは、死にゆく村なんだよ」

魔王「そっか……たいへんだね」

勇者(本気で同情してるのか……?それとも振りか?)

その夜─

魔王「いいのかなあ?ここ、ふつうのおうちでしょ?」

勇者「人が去って、宿すらないんだ。あの人と、他に数人が残っているだけでな」

魔王「ふうん。ゆうしゃは、まえにきたことあるんだ」

勇者「ここを通って魔王城まで行ったんだよ。こんな形でまた通るとは思わなんだがな」

勇者「ま、何にせよ…魔王のお前がそんなんなら、これからマジで平和になるかもなあ」

魔王「うん!ぼくはね、へいわにおやつたべて、おひるねして、魔王をがんばるの!」

勇者「お前が魔王を頑張って、俺たち人間にも平和が来るのか?」

魔王「きぎょうひみつ。ききたい?」

勇者「何か怖いからいい」


魔王「……ゆうしゃ、ねたかな?」

勇者「………(スピー)」

魔王「ふう……」

魔王「ま、これもおもしろい。かな?」


12.
勇者「……あれ、お前達の仕業だろ」

魔王「うん!おしろにあったたべものを、よなかにこっそりもってきてもらったの」

勇者「雨も降ってきたし…これもお前?」

魔王「うん。よろこんでもらえて、よかったー」

勇者「罪滅ぼし……ってか?」

魔王「うーん…いっしゅくいっぱんのおんぎだよ」

勇者「………変な奴だなあ、お前」

勇者「てか、お前本気で人間と和解交渉する気なの?何でまた?」

魔王「んーっとね、にんげんとわかいするちゃんすなんて、いままでなかったの。
   いつのまおうのじだいでも」

勇者「まあ……そうだろうなあ」

魔王「だから、どうころんでも、おもしろいかなーって」

勇者「なるほど!所詮人間なんざ魔王にとっちゃ暇潰しのオモチャに過ぎないと!」

魔王「うん!せんねんくらいなら、おとなしくしてあげてもいいしね!」

勇者「あっはっはっは。暴れるなら、俺が安らかに逝った後にしてくれー」

魔王「えっへん、かなえてあげましょう。ぼくはふところのふかいまおうだからね!」

勇者「ほー。では懐の程よい魔王様、
   一つこの哀れな勇者めに小遣いなど恵んで頂けませんでしょうか」

魔王「にげるき?」

勇者「いや、カジノに行って増やしてから逃げる」

魔王「うすうすかんづいてたけど、ゆうしゃって、けっこうだめにんげんだよね」

勇者「こちとら生きるために必死なんだよ」

勇者「俺はな、この仕事が終わったら無職なんだぞ」

魔王「あー、そういえばそうだねえ」

勇者「はあ……今日び元勇者ってだけで再就職先なんかあるのかねえ……」

魔王「うーん。ひとついいとこあるよー」

勇者「お、良ければ紹介してくれ。どこだよ?」

魔王「うち」

勇者「絶対ブラックじゃねえか!!」


13.
魔王「なんかきにいっちゃったのー。わへいこうしょうついでに、ゆうしゃもらっちゃおっかな」

勇者「悪いことは言わん。貰うんなら土地や財宝にしとけ」

魔王「えー……そんなの、かんたんにてにはいるじゃない」

勇者「ですよねー!!」

魔王「しろづとめだよー。みんなのあこがれ、こうむいんだよー」

勇者「ううっ…!深く考えなければ何と魅力的な響き?!」

魔王「いろいろおわってからでいいからさ。かんがえといてね」

勇者「お、拒否権認めてくれるんだ」

魔王「べつにいいよー。くびがいらないならね」

勇者「ははは。強欲ですねー魔王様は」

魔王「ぼく、おもちゃとられるのきらいなんだー」

勇者「やっぱ逃げるのやめとくわ。すぐ見つかって殺られそうだ」

魔王「よしよし、けんめいでけっこうです」


14.
栄えた街─

勇者「さーて、今日はここで宿を取る」

魔王「いちばんたかいとこ!」

勇者「分かってるって(スッ)」

魔王「なに、このて」

勇者「今夜の宿代よこせや」

魔王「え?」

勇者「え?」

魔王「なんでぼくがゆうしゃのぶんも、おかねださなきゃいけないの?」

勇者「てめえに負けて荷物全部取られたから、銭無しなんすけど」

魔王「あれはねー、じゅぎょうりょうとしていただきました。じんせいというなの」

勇者「……さては楽しんでやがるな」

魔王「ひとってねー、ひぜにのためならなんでもやるってほんとかなー?」

勇者「澄んだ瞳で犯罪教唆?!」


勇者「くっ…つまり、夕刻までに宿泊費用を稼げばいいんだな」

魔王「ないてぼくのくつをなめるんなら、こうりでかしてあげてもいいよ」

勇者「高利って具体的には?」

魔王「いっしょうかけて、からだではらってもらいます」

勇者「酒場だ!なんかこう、仕事斡旋してる類の酒場はどこだー?!」


15.
酒場─

店主「やあ、いらっしゃ……い?」

勇者「仕事をよこせ!今日中に遂行可能で高額報酬の仕事を!!」

店主「いいけどお客さん………子連れでこんな所に来るなんて、ちょっと感心しないぞ」

魔王「あ、きにしないで。ぼくはただ、かいぬs」

勇者「いいから早く!ここを探すだけで昼回っちまったんだから!!」

店主「何で泣いていんだ、この兄ちゃんは」

魔王「いろいろおいつめられてまして(ニヤニヤ)」

店主「つってもなあ…そんなムチャな条件に合う仕事……あ、これは…駄目だな」

勇者「何だよ、それ」

店主「あー…街近くに、貴重な鉱物が採れる洞窟があるんだが…
   数年前から凶暴な魔物が住み着いちまって」

勇者「つまりそいつを倒せばいいんだな?!」

店主「そんなとこだ。ただ、今まで何人もの奴が挑戦したが、誰も帰って来なかった」

店主「お陰で今じゃ誰も引き受けようとしねえよ。結構な報酬なんだがなあ」

魔王「へー。いくらなの?」

店主「一年は遊んで暮らせるんじゃね?」

勇者「その仕事乗ったあああああああああ!!!!」

魔王「おおきくでたねえ」


16.
店主「……本気か?!」

勇者「ああ!時間も無いし、とっとと場所を教えてくれ!!」

店主「………何やら事情があるようだな…」

勇者「もう生きるか死ぬかの瀬戸際なんだよ!頼む!!」

店主「ふっ…お前みてえに熱い奴、嫌いじゃねえぜ」

勇者「おやっさん……!!」

魔王(こづれだから、なにかごかいされてるんだろうなー)

店主「では、この子はここで預かっておこう。行って来い!」

勇者「え、悪いって。連れてくよ」

店主「?!お、お前…自分の子どもを危険に晒す気か?!」

勇者「いや、こいつ俺の子じゃねえし」

店主「自分の子じゃなけりゃ、どうなっても構わないっていうのか!!」

勇者「だからこいつは…………あ」

勇者(『魔王だから大丈夫』なんて言えるかああああ!俺の馬鹿アアアアアアア!!)

魔王(もー…よわたりがへただね。おやじさん、すっごいあやしんでるじゃない)

勇者(うわ……どうしよ。何かいい言い訳は…)

魔王(しかたないなあ。こんかいだけ、さーびすでたすけたげる)

勇者(お!昨日みたいな奴か!頼む!!)

魔王(はーい)


17.
魔王「おじちゃん。ぼくもいっしょにいくよ」

店主「駄目だ!あそこは大人でも無事で済まないような場所なんだぞ!!」

魔王「それでも…ぼくはいかなきゃならないの……。おにいちゃんのために」

店主「こいつのため…?」

魔王「おにいちゃんはね、ごびょうきなの……ぼくがいないと、しんじゃうの」

店主「なっ?!」

勇者(あれー、昨日と設定が随分違いますよ魔王様ー)

魔王「おにいちゃんはね…よーじょのわきのにおいをかがないと、
   こきゅうこんなんでしんじゃうの!!」

店主「…………」

勇者(ナンダッテー)

魔王「ぼくがいないと……ぼくのにおいをかがないと…『幼女幼女おおおぉおおわぁああああ!!!
   あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…
   くんくんんはぁっ!』ってしないと……!!しんじゃうの!!」

店主「……えっと、あんた」

勇者「は、はい」

店主「大変…なんだな」

勇者「あははは」


88:KH12aWHlO
勇者……



18.
洞窟─

勇者「………」

魔王「どーだった?ぼくのはくしんのえんぎ」

勇者「これだけは言っておく。あれは無い」

魔王「えー。おやじさん、けっきょくぼくがついてくのに、はんたいしなかったじゃない。
   しんじてくれたんだよ!」

勇者「こいつらに関わっちゃマズイって目だったわ!!後、個人的には信じて欲しくはない!!」

魔王「わがままだねー」

勇者「くっそー……もう絶対お前なんかに頼るもんか…」

魔王「まおうにたよるじてんで、だめにんげんだよ」

勇者「うるせえ!こうなっちゃヤケだ!とっとと魔物ぶち倒してウマイもん食うぞ!!」

魔王「せいぜいがんばれー。ぼくはけんぶつしています」

勇者「…お前、魔物が殺されてもいいのか?手下のはずだろ」

魔王「いっぴきへったくらい、どうってことないからね」


勇者「この奥が巣か……って、何をしている」

魔王「え?おやつたべてるんだけど。さっきかったの」

勇者「いいご身分だな!!いつか寝首掻いてやっからな畜生!!」

魔王「ほしいならちょっとあげるよ。まだまだあるからね」

勇者「ありがとうございます。正直腹減って死にそうだったんです」

魔王「じゃあ、ぼくはかくれてようすみとくね」


19.
洞窟最深部─

魔物『くくく…また性懲りも無く人間がやって来たようだな』

勇者「うわー、でっけえ蛇」

魔物『不味そうだが……丸呑みにすれば、腹の足しにはなるか』

勇者「何だ、お前腹が減ってるのか。俺は腹ごしらえを済ませたぜ!俺の勝ちだな!」

魔物『面白い!来るがいい!矮小な人間よ!!』

勇者「うおおおおおおお!!!!」


長らくのご愛読ありがとうございました!
1の次回作にどうかご期待下さい!!


魔王「ってならないよねー、やっぱり」

勇者「なってたまるか!!」

魔王「あっさりかっちゃってさー、おもしろみがないよねー…(ブツブツ)」

勇者「さーて。とりあえず、首でも持ってきゃ信じてもらえるかな?」

魔王「えー、ぐろいよ。そんなのもってちゃ、ぜったいふしんしゃだよ」

勇者「こいつのせいで街の人間は困ってたんだろ?なら、生首担いで帰っても英雄だって」

魔王「そーかなあ」


栄えた街に帰還─

勇者「………」

魔王「ね?」

勇者「何故だ……」

魔王「まんまふしんしゃだからだって」

勇者「つってもよ…何かすれ違う人の視線が痛いんだけど……
   そのくせ目が合いそうになったら、不自然に逸らすし」

魔王「まあ、きっとさかばまでのしんぼうだよー」

勇者「そうだといいんだが……」


97:5UHC49U/0
勇者なにげに強いのかよw



20.
酒場─

魔王「ただいまー」

勇者「よーっす。見事倒してきてやったぜ!」

店主「?!!(ビクッ)」

勇者「…どうしたんだよ、そんな隅に縮こまって」

魔王「おきゃくさん、みんないなくなってるねー」

店主「あ……ああ、ちょっとな…。それより町の人達が噂していたが…本当にやったのか……」

勇者「おう!さあ、約束の報酬今直ぐ払ってもらおうか!!」

店主「?!!(ビクゥッ)」

勇者「何で俺が近付くだけでびびるんだよ…」

店主「あんたは…危険だ……」

魔王「………」

勇者「けっ……化物を倒すのは化物、ってか?」

店主「…違う!!」

店主「あんたのその病、他人に感染する物なんだろう?!」

勇者「は……?」

店主「その子が言っていたんだ!そうなんだろ?!俺はあんたみたいにはなりたくないんだ!!」

勇者「あのちょっと」

店主「頼む!早く出て行ってくれ!金ならそこのテーブルに置いている!!」

勇者「ええええ」


21.
街外れ─

勇者「えっと、何が目的ですか魔王様」

魔王「うそってね、おおきくこうはんいにつくと、ちょっとたのしい」

勇者「一番厄介だ!目的が無かった!!!」

魔王「おじさんにしゃべってたのを、まわりのおきゃくさんがきいてたんだろうねー。
   まちじゅうがしってるなんて、すごいね」

勇者「畜生……あの通行人たちの目はそういうわけか…くそっ…もうあの街に行けねえ……」

魔王「それはそうと、ぼく、のじゅくはじめてなの。わくわく」

勇者「……金が入ったんだし、明日からはちゃんと生きていける……はずだよな」

次の日─

勇者「えっと、この冷たい視線には覚えがあります」

魔王「となりまちだしね。そりゃあ、しっててもふしぎじゃないかと」

勇者「クソ!金はあるぞ!!どこか泊まれるような宿は無いのか?!」

魔王「ゆうしゃがちかづくだけで、どこもへいてんしちゃうんだよ」

勇者「元はと言えば誰のせいだ!ああもういい!とっとと次の街に行くぞ!」

次の日─

勇者「………」

魔王「おまたせー。かいものいってきてあげたよー」

勇者「………」

魔王「あ、ほんきでへこんでる」

勇者「何で……何でここまで伝わっているんだ…山一つ越えた場所なのに」

魔王「なんかね、さいがいみたいにおもわれてるみたくて。にんそうがきもひろまってるみたい」

勇者「何でだ………」

魔王「じんせいいろいろだよ」


22.
次の日早朝─

勇者「遂に王都入りだああああ!!」

魔王「げんきだねー。てつやあけなのに」

勇者「馬を買ったからまだマシだ。これならあの噂はまだ届いてねえだろ!!」

魔王「いやあ、かんがいぶかいね。あしたでひとしごとおわりか」

勇者「……これで、魔王の玩具決定か………。さよなら、俺の人としての人生…」

魔王「もうすでに……いやいやべつになんでも」


魔王「さいしゅうしょくさきだけど、ゆうしゃのすきにしていいよ」

勇者「え」

魔王「どうするか、ゆうしゃがきめればいい。ぼくはむりじいしないからさ」

勇者「……魔王」

魔王「このすうじつかんたのしかったから。ひともわるくないって、わかったよ」

勇者「その言葉…信じていいんだな?」

魔王「うん。ちょっとやりすぎちゃったかなーっておもうし」

勇者「猛省しろ。あと、誤解を解け。いいな」

魔王「はーい」


23.
王城前─

兵士「そこの者!止まれ!」

勇者「はいはい…」

兵士「ここは関係者以外立ち入り禁止だ!即刻立ち去………!?」

勇者(う…この反応はまさか)

兵士「お待ちしておりました勇者様!!」

魔王「おお」

勇者「……(ホッ)」


魔王「すんなりめんかいがゆるされたねー」

勇者「さっきのはマジで心臓に悪かったわ…またあのパターンかと……」

魔王「まあ、しってたらこんなところまでとおしてくれなかっただろうねー」

勇者「でもお前についてはノーコメントだったな。何でだろ」

魔王「ゆうしゃといっしょだから、かおぱすなんじゃない?」

勇者「ま、どうでもいいわ………これで俺の苦労も終わ………」


国王「勇者よ……よくぞ戻ったな」

勇者「えーっと、あの国王様」

国王「何だ」

勇者「つかぬことをお伺いしますが」

国王「良い、申してみよ」

勇者「何なんですか、そのマスクは」

勇者「うわ?!!」

兵士「くっ!この攻撃を避けるとは、流石は腐っても勇者様!!」

国王「何をやっておる!早く捕まえるんだ!!」

勇者「これは一体?!てーか聞かんでもなんとなく分かるぞ!!」

魔王「……わくわく」


24.
国王「聞いたぞ!お前が妙な病にかかり、幼子を誘拐し連れ回しているということを!!」

勇者「ちょっと待て!いつの間に誘拐まで加わった?!!」

国王「まさかと思ったが…実際お前はそのような子どもを連れている!」

勇者「いやだから国王様!こいつが魔王なんです!!」

国王「?!!」

魔王「そーだよー」

魔王「ぼく、まおうです。このたびは、わへいこうしょうにまいりました」

国王「………」

勇者「そのよく分からん病もこいつが言ったデタラメだ!頼む!信じてくれ!」

国王「このような突飛な嘘を教え込むなど…!こうまで堕ちたか勇者よ!」

勇者「薄っすら予感してたけどやっぱり信じませんよね!!!」

国王「皆のもの出あえ!!わが国の恥を討つのだ!!!」

勇者「えええいこうなったらヤケじゃ!全員まとめて」


魔王「ルーラ」


勇者「……魔王城?」

魔王「だってー、あのままじゃ、たいりょうぎゃくさつだよ?」

勇者「何でてめえがあっちの心配をするんだよ!!」

魔王「わへいこうしょうはどうするのさ。まあ、またこんどごかいをといてから…」

勇者「その必要はない」

魔王「え?」


25.
勇者「早いけど、お前んとこに就職する」

魔王「え?」

勇者「元はといえばお前のせいだが、何かもう人間にほとほと愛想が尽きた!!」

魔王「わあい。ゆうしゃ、なんだかさわやかだよ」

勇者「平和になったところで俺は無色だしな!なら、こんな世の中潰しちまってもいいよな!」

魔王「いいんじゃないかな?ぼくもてつだうよー、ひまだし」

勇者「とりあえずあの国ぶっ潰すぞ!行くぞ魔王!!」

魔王「はいはい、いこっかゆうしゃ」

勇者「もう勇者じゃねえよ」

魔王「じゃあね、ぼくのそっきんってことで」

側近「その話、乗った!!!!!」


【終】



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